赤坂RED THEATREの支配人は上谷忠という方である。
ジェイクリップの社長をやられており、そこで俳優や声優を抱えて
様々な仕事をやっている。
そんな縁もあってかどうだかわからないが
この、「赤坂RED THEATRE」が開館してから
運営やプロデュースなどを行っていらっしゃるようである。
今回はひょんなことからジェイ・クリップに連絡を取る事があって、
今回の舞台を見に行くこととなった。
「高山広のおキモチ大図鑑」は随分と前から
そのチラシは目にしており、どんなものだか興味があったので、
せっかくの機会だからと雨降る中、赤坂に向かった。
「赤坂RED THEATRE」は赤坂見附から徒歩数分のところにある。
華やかな場所である。
ロンドンの劇場は良くあるらしいのだが、
1階にパブのある構造になっている。
ロンドンでは観劇関係の方がパブに集うそうなのだが、
ここのパブは外資系の海外からの駐在社員たちの溜まり場になっているのか
白人率が非常に高い。
高山広は一人で全てをこなす。
オープニングのタイトルに、脚本・演出・出演、高山広と
英語でクレジットされたものが投影された。
いくつかのネタを行う。
今回も10個以上の短いネタを暗転つながりで行う。
暗転の際、スクリーンにそのタイトルがクレジットされる。
折込のチラシにその上演タイトルが書いてあるといいなあと思った。
最初に上演されたのは「破談」というもの。
40過ぎたマザコンの男がお見合いをするのだが、
紹介人のおばさんがやってきて断られるというもの。
マザコン男の気持ち悪さなどを出そうとしているのだが、
そこがもっと、いききらなければリアルな狂気にはならないのだなと思った。
マイルドなマザコン男だった。
がしかし、柔らかな「笑い」に転化するというわけでもない。
印象的だったのは、「マイマイ隊」という
かたつむりが捕獲され、エスカルゴに姿を変えるまでを
日本軍の出てくる戦争映画のように行ったもの。
高山はパントマイムの素養があるのだろう。
身体の動きがよくカタチが決まるので見ていて面白い。
ただ、「笑い」というよりも、
高山は「人情話」に磨きをかけた方がいいのではないかと思った。
ダンディなカラスのような持ちネタは芸として確立されているのでいいのだが、
あれも決してお笑いではないだろう。
それよりも、高山の「ミカン」にまつわる町工場の先輩との話とか、
「星が願いを」のように哀切漂う星からのメッセージの語りなどの方がぐっとくるし、
高山のキャラには合っているのかなと思った。
可能性があるだけに、もっともっと面白く出来るやり方がある筈である。
イッセー尾形には森田さんという批評者であり演出家である方が居る事によって
高いレベルを成立させている。
高山広もそういった試みを始めることによって
いままでの殻を破りさらなる高みへと行く姿を
是非とも見て見たいと思うのであった。
その姿を見るのが、とても楽しみである。