指南役とは、ホイチョイプロダクションにオフィスを間借りしていたことがあるらしい。
馬場康夫さんなどとも関係の近い、ブレーンチーム(頭脳集団)とでもいったらいいのだろうか?
代表は草場滋、メンバーは津田真一、小田朋隆。
元、広告会社社員。
テレビ番組の企画や「きまぐれコンセプト」のネタ出し、
そしてこのような出版活動も行っている。
こうした自由な集団から面白いものが生まれるということについて少し考える。
大企業からはそういった発想が生まれにくいのか?
大きな組織の中でも、自由な発想を出し、実際のカタチにして
いかなければならない時代がすぐそこに来ている。
副題に「すぐれた企画は30秒で通じる」とある。
会社のトップにエレベーターで偶然出くわしたとき、
エレベーターの中でアイデアを説明し、最上階に着くまでに説明が終わり、
社長が実行に移したくなるような企画が
本当に優れた企画であるということ。
そのためにはシンプルで力強いことを考えなければならない。
ここではアイデアの「考え方」を指南している。
アイデアは誰にでも出せる、ただ「考え方」を知らないだけであると本書は語る。
本書にも書かれていたが、
名著「アイデアのつくり方」ジェームス・W・ヤング(@阪急コミュニケーションズ)
という小冊子があるのだが、その中にアイデアに関しての
主要なエッセンスはほぼすべて網羅されていると断定する。
簡単に言うと、
Aという要素とBという要素をある配合で組み合わせて
新たなCという価値を作っていくこと。
それがアイデアを作るということであるとヤング氏は語っている。
そして、本書ではそれを演繹して具体的な方策について述べられている。
ゴールを見て、とりあえず書いてみる、必ず正解がある。
土壇場に優れたアイデアは生まれる。
などなど、実際の事例を紐解いて具体的に説明してくれる。
実際の事例がエンタメを中心とした有名な話多いので面白く、説得力を持ちえる。
創作の秘密はルーチンワークにあるというところも面白かった。
夏目漱石は毎日午前中、決まった時間に、決まった分量だけ書いていたそうである。
先日イスラエルで文学賞の講演スピーチをした作家・村上春樹も同様である。
と書かれている。
あと、面白かったのが知識の量が増えるほど、アイデアが降臨する機会も増えるというもの。
インプットがいかに大切であるかを思い知らされる言葉である。
最後の章の、最後に勝つのはオリジナルというところも面白かった。
1000人のマーケティングより一人の天才とし、宮崎駿のことを例に挙げていた。
その後、人生とは好きなことを極め、その楽しみを他の人に分け与えるためにある。
という強い信念で本書は結ばれる。