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再演。昨年の公演で評判が良かったそうである。 原作はエルフリーデ・イエリネクというオーストリアの作家。 2004年ノーベル文学賞を受賞する。 その理由がすごい。 「社会の不条理さや強制的な力を、比類ない言語的情熱で暴露する小説や戯曲において、 複数の声とそれに対置される複数の別の声によって音楽的な流れを生み出した」とある。 最初、この文章を、読んだだけでは何のことだかわからない。 今回の舞台をみてこんなことだったんじゃないかな というようなイメージがおぼろげながら見えてくる。 それは高山明が今回のテキストを読み込んだ解釈が 演出に表れていたのかもしれない。 「言葉の人」とある人を称して言うことがある。 感覚的なものよりも「言葉」がその人にとってはすーっと入り理解し腑に落ちる。 コピーライターなどをされている方でたまに出会うことがあるが、 そういった方の言葉に対する感覚に驚く。 また別の意味で「言葉の人」は法曹界にいる人たち。 特に判事さんなんかは毎日膨大な書類を見て それを圧倒的なスピードで読み込み判決を下していく。 言葉から無限の想像が瞬時にできるエネルギーが生まれ続けているのだろう。 そういった人たちは、仕事をしていないときは小説などを読むのだろうか? ときどき思うことがある。 人間の一生に読むことの出来る活字の量があらかじめ決められていたとしたら。 あなたはあと20万字しか読むことが出来ませんよ! と言われたらおそれおののくことだろう。 何でも限界やゴールをあらかじめ規定されると 人間はたちすくむものなのかも知れない。 構成・演出は高山明。ヨーロッパで長く演劇を学んできた経歴の持ち主。 小劇場から出てきた人々とは一線を画すのか? 2002年に彼はPortBを結成。 ドイツで培った演出メソッドを叩き台に実験を繰り返している、とある。 現代美術の世界からも注目されているそう。 同時に彼は豊島区にこだわり、サンシャイン60や巣鴨商店街などをテーマに 演劇づくりを行っている。 今回のF/Tフェスティバルは豊島区も主催として参加しているので とても面白い地域と一体になった試みだと思う。 舞台での出演者は一人。暁子猫という女優が一人で膨大な量のテキストを独唱する。 工事現場の足場とそこで良く使われるようなランプが薄いスクリーン越しに見えてくる。 暁子がその足場を上からゆっくりと歩いて降りてくる。 彼女が語っているのかあらかじめ録音されたテキストが流れているのか、 彼女自身が語っているのか判然としない。 舞台も薄明かりの中ぼんやりとしていて判然としない。 足場の前にある大きなスクリーンの前には草書体で 日本語が大きな和紙に書かれており床に置かれている。 天井から茶色のワンピースが数点吊るされている。 まるで現代美術を見ているよう。 舞台真ん中にはマイクが天井からぶら下がっている。 暁子は「わたしたちは・・・・」という「わたしたちは」というフレーズを何度も何度も繰り返す。 良く聞いていると、なるほど、これは弱者に向けた、世間に向けた言葉なのかな?と思う。 と同時に「彼らは・・・」という言葉が時々出てくる。 これは明らかに「私たちは・・・」という言葉に対する、対立の構造を描こうとしていると感じられる。 二項対立の構造が抽象的に描かれる。 よっぽどの集中力がないと息切れをしてしまう。上演時間は85分。 僕は60分くらいしか集中力が持たなかった。 最後の方のテキストの独唱は本当に発声が良く聞いていて気持ちがいいのだが、 お能を聞いているときのような眠たい感覚が押し寄せてくる。 途中で台詞が暁子猫の歌と重なったり、スクリーンの人々の言葉に重なったりする。 音が重層的にあらわれハーモニーを奏でる。 テキストでハーモニーが聞こえてくるというのは新しい発見であった。 暁子の声と歌のうまさがその効果を引き出している。 下手に作ると大失敗の危険があるギリギリのところで創作が行われていたんだなと推測する。 東池袋の公園に来ている若者たちへインタビューしている姿が スクリーンに流しだされる。 「あなたは、サンシャインが出来る前何があったかご存じですか?」 「・・・・?」 「巣鴨プリズン」と答えた人はほんの僅かだった。
by haruharuyama
| 2009-03-05 09:03
| 舞台
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