ケラリーノ・サンドロビッチ脚本・監督作品。
KERAさんは先日、女優の緒川たまきと結婚した。
ザ・スズナリで二人の姿を発見したときのことを思い出した。
今になって、納得。
僕は、緒川たまきと誕生日が一緒である。
唐十郎も同じ誕生日。
何か演劇界と因縁のようなものがあるのか?
いきなりの交通事故から物語は始まる。
麻生久美子と男性ドライバーの乗っているトラックが段田安則に追突する。
そのトラックの抜けた向こうには成海璃子が立っている。
これは様々なドラマが同時進行的に組みあわさっていく手法の映画である。
ある種謎解き的な要素もあり、エンターテイメントとして楽しめる。
成海は売れないグラビアアイドル。
彼女のマネージャー犬山イヌ子が取ってきた仕事が、あるグラビア誌だった。
しかし、彼女の写真の部分だけ上下逆に入稿されて印刷されてしまっていた。
ある日、彼女はコンビニでその写真を見つける。
コンビニからマネージャーに抗議の電話をする。
この雑誌、買いますと行って、咎める店員の制止も聞かず、
コンビニ店内で雑誌を握りしめ、電話をし続ける成海。
お金を持っていなかった成海は混乱していたのか、
そのグラビア誌をそのまま店外に持って出てしまう。
コンビニを出た直後にトラックのひき逃げ事故が起きた。
(と記憶しているが定かではない。)
いろいろなことが込み入っており、それがこの映画の魅力にもなっている。
万引き犯として逮捕された成海は、アイドルということもあり、
1日署長をすることで放免されることが決まる。
そして成海は1日署長をするのだが、
この警察署では本当の署長の任務を遂行しなけらばならないことになっていた。
というナンセンスないかにもKERAさんが書きそうな荒唐無稽な話であるのだが、
その変化のテンポが速くまるでジェットコースターに乗っているような感覚。
コンビニ強盗の集団(山崎一、奥菜恵、大倉孝二)が
犬山と所属事務所の生意気なグラビアアイドル(安藤サクラ)を拉致する。
その現場に駆け付ける成海。
犬山と安藤の確執が描かれて面白い。
結局、事件は解決するのだが、また同じようなことが起き物語は循環していく。
KERAのラビリンスに導いてくれる。不思議な映画である。
小劇場界の俳優が多数出演しているのも演劇ファンには見逃せない。
何と、行定勲監督も出演している。