シアタートラムネクストジェネレーションvol.2企画公演。
世田谷区芸術アワード 飛翔 受賞者公演。
当日券で飛び込んだら凄い人。何と立ち見です!とのこと。
上演時間が70分と聞き、せっかく三軒茶屋まで来たのでチケットを購入する。
コインロッカーに少し荷物を預ける。
立ち見の時は預けた方がいい。
ロビーには白い街の建築模型のようなものがディスプレイされており、
ロビーから劇場に入る廊下には無数の
オーナメントのようなものがぶら下がっていた。
快快の最大の特徴はその明るさ。
底抜けに明るく、和気あいあい。
楽しく生きていこうぜという意思に満ちあふれている。
多摩美出身の彼らは、卒業して5年が経つ。
織り込みチラシの中に、「多摩美術大学 演劇映像学科2010」の案内があった。
そこに卒業生の活躍として「快快」が取り上げられている。
2004年から活動を始めたのでこれで、6年目である。
そうして、トラムの公演を立ち見が出るまでにした。
現在、多摩美の演劇映像学科の教授として
野田秀樹さんなどが加わっている。
社会人入試などがあると書いてあり興味を持つ。
いつまでたっても学ぶという行為は楽しいものである。
これからの大学はこうして若者だけでない人材を
積極的に取り入れていくと面白いものになるのではないだろうか?
10代から70代くらいまでの世代が混在して、
同じことをそれぞれの視点で学ぶことはとっても興味深い。
さて、今回のこの公演は3年半前に行われた
「Zeller Schwarze Kats(論文編)」という
作品の再演のものだそうである。
タイトルにある通り、インコが出てくる。
黒木絵美花と師岡広明の二人が二匹のインコを演じている。
出演者たちは一様に写真がプリントされた衣装を着ている。
衣装、藤谷香子。
インコを飼っている部屋に集まる友人たちと部屋主の会話。
会話と言っても一人語り的なものが多く。
チェルフィッチュの方法に近いかも。
それが次々と連鎖していく。
その軽―いストーリーの中にパフォーマンスの要素が絡んでくる。
突然ではなくフェードインするようにパフォーマンスが絡むのが特徴。
ボイスパフォーマンスのように様々な声を出しながら動く俳優たち。
時折インコの声が「ピピッ!」と響く。
そして音楽とともに様々なダンサーたちがそれぞれの動きでダンスをする。
「美しき碧きドナウ」や「カルメン」の曲に合わせて。
特に「カルメン」のシーンは良かった。
この舞台での一番の見せどころだったと思う。
そういう意味では、快快はダンスを見たい集団かもしれない。
演劇的なところをきちんと見るというよりも
ダンスを中心としたパフォーマンスを見るべし!
という言い方が僕にとっては適切なのかもしれない。
笑えるシーンがたくさんあり、立ち見70分は全然苦にならない。
終演後、アフターパフォーマンスがあった。
これが、本編以上に面白かった。
それぞれの俳優たちが同じ技法で、発話したり声を発したりしながら
ダンスのような動きを繰り返す、それが
ヴォレロの音楽に合わせて連携したりしなかったり。
良かった!
やっぱり、快快はダンスパフォーマンス集団なのだ!
振付は野上絹代。