世田谷パブリックシアターこどもの劇場2010と題した公演。
この劇場がコンドルズをこの催しのために呼んだという。
会場はコンドルズファンの女性たちでいっぱい。
そして、子供連れのお母さんも。
何故なら「こどもの劇場」と題した本公演、
こどもたちは半額で見ることが出来る。
一応4歳から高校生までとなっている。
観客席から子供たちの笑い声や話し声が聞こえてくるのが良かった。
また、こどもたちは何気ない動作のところでケタケタと笑うんだと思った。
身体の予想外の動きに笑うことは、ダンスというものの持つ
原初的な感覚に近い何かがあるんじゃないかと想像してしまった。
コンドルズもいまやNHK教育TVの「からだであそぼ」その後「あさだ!からだ!」
などで子供たちに人気である。
また、「サラリーマンNEO」で大人世代にも知られている。
世田谷パブリックシアターで芸術監督をしている野村萬斉さんも
「にほんごであそぼ」に出演しているので、こどもたちは知っている筈。
開演前にスクリーンに映像が映される。
学ラン姿の野村萬斉が登場する。
その恰好で携帯電話などの電源をきるようになどの注意事項が伝えられる。
この劇場の地下の稽古場で撮影されたものだった。
原色を多用した抽象空間にいくつかのソファや椅子や机が置かれている。
コンドルズの面々が所在なげに座っている。鍵の束を投げあう。
そこに、この日のゲストが登場する。
僕が行った、日曜日のゲストは白井晃さんだった。
白井さんがソファに座って「赤ずきんちゃん」の絵本を読み聞かせる。
ところどころブラックなものが入った「赤ずきんちゃん」。
こどもたちは絶対面白がるに違いない。
世間的に言われている公序良俗ではない面白いものに
子供たちは敏感に反応する。
そのようなこどもたちがそのまま大きくなったのが
このコンドルズのメンバーたちじゃないだろうか?と思う。
しかし、現実は彼らもそろそろアラフォーである。
その彼らが学ラン姿で懸命に踊る。
バカバカしいコント集団としてのコンドルズと
近藤良平を頂点としたダンスカンパニーのコンドルズの二つの要素が融合して
「コンドルズ」になるのだろう。
女性に人気が出るのも無理はない、面白くてかっこいいのだから。
お笑いテキスト担当の小林顕作の存在も重要である。
今回はブロードウェイミュージカルのダンサーたちを題材にしたもの。
彼の作るポップなコントが彼らのコント集団としてのクオリティを高めている。
と、同時にゆるーいところもある。
様々なレベルのダンサー(OR俳優ORコメディアン?)がいていいのだというのが
もうひとつのコンドルズのスタイルである。
様々な容姿と様々な身体能力そして様々な体型の男たちが12人いる。
そのことがコンドルズの三つ目の大きな特徴なのかなと今回の公演を見て思った。
3年ぶりのコンドルズは相変わらずゆるく面白くカッコイイ。
ラストの近藤の独舞から始まるダンスは圧巻だった。
近藤の独舞からメンバーたちが次々と舞台に現れみんなで踊る。
それが純粋に楽しいと感じられる。
永遠のこどもたちであるコンドルズは子供たちにもきっと何かを残してくれただろう。
楽日だったので、カーテンコールが凄まじかった。