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テアトル・エコーは熊倉一雄が代表取締役を務める劇団。 喜劇を中心とした舞台を中心に結成して60年が経つ。 1950年「やまびこ会」として発足、1954年にテアトル・エコーに名前を変える。 1964年(昭和39年)東京オリンピックの年に NHKで「ひょっこりひょうたん島」が始まった。 その時の海賊トラヒゲの声が熊倉一雄だった。 そして脚本を書いていたのが井上ひさし。 井上ひさしは山形から上智大学フランス語学科に入学、 在学中から浅草のストリップ劇場「フランス座」の 文芸部進行係として台本を書きはじめる。 「ひょっこりひょうたん島」が始まったのが井上ひさし30歳の時だった。 この番組は5年間も続く人気番組となった。 番組で知り合った熊倉一雄に乞われテアトル・エコーに戯曲を書きおろす。 「ひょうたん島」が終わった1969年に井上ひさしの 処女戯曲「日本人のへそ」が完成し公演が行われたそうである。 熊倉一雄は現在83歳! 1927年生まれの熊倉は42歳で「日本人のへそ」に出演したということになる。 それから41年が経つ。 この戯曲、長らく再演されていなかったらしい。 1972年にテアトル・エコーで再演されたとあるが、 その後長い間封印されていたのか? 今年になって井上ひさしの快諾のもとこの戯曲が上演されることになった矢先に 井上ひさしが亡くなった。4月9日のことだった。 そうして、この公演はテアトル・エコーでの追悼公演という形になり、 前売り券は完売となった。 当日券が当日数枚出て抽選で選ばれると聞いてダメモトで行ってみる。 恵比寿エコー劇場。 テアトル・エコーの自社ビルだろう。 事務所と稽古場そして劇場が一体となったスペース。 この劇団は、 地元の商店街とも関係をきちんと築いているのがいい。 「エコー劇場周辺便利MAP」というのがあり、 近所の飲食店などが紹介されおり、このMAPを持っていったり、 半券を持っていくと特典があるというもの。 静かな恵比寿の渋谷川沿いの場所にあるスペース。 雨が降っていたので何故かしっとりと落ち着いた気分になる。 しかし、その気分とは裏腹に抽選に外れてしまう。 キャンセル待ちがあるかもしれませんと言われて せっかくなので開演ギリギリまで待つ。 と補助席が1つ空き、見せてくれることになった。 こじんまりとした劇場は親密感で一杯である。 劇場の係の方が多いのも特徴である。 テアトル・エコーのスタッフたちが総出でやっているのだろうか? 井上ひさしは処女戯曲から井上ひさしだった。 当時、ここまで言っていいの?という微妙な問題が戯曲の中にたくさん盛り込まれている。 熊倉一雄も83歳の高齢なのに出ずっぱりで重要な役をこなす。 ときどき独特な間が空くのだが熊倉さんなので容認。 そういえば「ヒッチコック劇場」のあの声は、熊倉一雄の声だ! 岩手の寒村から出稼ぎに出て来る娘、きっかわ佳代演じるストリッパー、 ヘレンがこの舞台のヒロインである。 処女作から井上は、音楽劇という形をとっていたんだということを初めて知る。 作曲は服部公一。当時、和製の音楽劇が珍しかったのだろう。 折り込みに服部公一が熊倉さん夫妻と初演当時に NYのブロードウェイとロンドンのウェストエンドに行き ミュージカルを立て続けに見、そこから日本ミュージカルの原点が生まれた と書かれてあった。 その楽曲も歌詞も含めての楽しさは素晴らしいものだった。 日本語の多様性をキチンと意識した歌詞になっており、 その歌詞の中にある種の批判性や毒がある。 聞いていて楽しく、歌詞の意味を考える。 左脳と右脳の同時に訴えかけるものが井上ひさしの舞台にはいつもある。 ヘレンは中学を出て集団就職で出稼ぎに行く、出稼ぎに行く前に父親に犯される。 ヘレンは美人でスタイルが良かったので集団就職で受け入れてくれた会社の社長さんが 彼女を口説く、妾にならないか?と誘う。 彼女はそれを断ると最後には逆ギレされて首になる。 そこからヘレンは生きていくために必死で仕事を探す。 美人でスタイルのいい女の子が手っ取り早く稼げる場所を転々とする。 ピンサロを経てトルコ風呂に勤めているときに ストリップ小屋のスタッフに声をかけられる。 彼女は意を決して人前でヘレンというストリップ嬢として働き始める。 そこから彼女はヤクザの若頭の女となり、その組の組長の情婦になる、 さらには右翼の大物の妾となり最後には代議士の東京妻となったのであった。 その間に労働者葬儀の問題、マルキシズムや天皇制の問題などが描かれる。 ある批評性を持って、この時代の上層部に対する意見となっている。 笑いながらも悲惨な現実がたくましく描かれる。 この時代ヘレンさんみたいな人を幾人も井上ひさしはフランス座で観て来たのだろう。 その事実をこうして舞台に応用したのだろうな?と思った。 そして殺人事件が起きる。 実は、これは吃音症を治療するための一環でお芝居をしている という構造をこの舞台はとっている。 実はヘレンの物語は劇中劇なのだというメタシアター構造。 そのことは舞台冒頭で熊倉の口から直接伝えられるが、 観客は見ているうちに何が本当で何が作りごとなのかがわからなくなってくる。 この舞台は初演からものすごく評判になったそうである。 井上ひさし35歳の作品。 この戯曲、来年の3月に栗山民也演出でシアターコクーンにて上演されるらしい。 テアトル・エコー版は10月4日まで。
by haruharuyama
| 2010-09-30 09:26
| 舞台
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Comments(2)
Commented
by
PowerBallade
at 2010-10-01 07:06
x
この歴史のスパンの長さ、すごいですね。
井上ひさしは中学の時からすきだっただけに、 戯曲については全く触れていないのが悔しいです。 なんとか見に行ってみたいものです。
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by
haruharuyama at 2010-10-01 09:31
PBさま。コメントありがとうございます。こまつ座のHPをチェックされると公演案内がご覧になれるかと思います。
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