震災後の日本は?マーケティングは?どうなるのか?
という日経MJからの問いに佐藤卓が答えていた。
佐藤卓はアートディレクターとして今や定番となった
ロッテの「キシリトールガム」や明治乳業の「おいしい牛乳」などの
パッケージデザインや商品のコンセプト作りを手掛けている。
彼がそのインタビュー記事で答えていた言葉がとても印象に残った。
震災後の日本では、本当に大切なものを見分けることが行われるだろう。
生活者は自分たちが暮らしていく際に選択する商品の
本質を見るようになるだろう。と。
コンビニの棚から3カ月で棚落ちしてしまうような
商品群を多品種作って宣伝し、発売し続けるという環境から、
じっくりと考えて、その商品が生活者にとってどれくらい有用であるのか?
ということを考えた上で商品が発売される時代になるのでは?と。
ある種、ヨーロッパの人の考え方にも似た?
じっくりと吟味されたいいものを少しだけ消費する。
そんな考え方と生き方が震災後の日本に与えられているのかもしれない。
そして、わたしたちは、それをどのように実行していくのか?
商品開発が本質的な部分から発想されてくるとすれば
商品のマーケティングはその本質が持っている哲学を咀嚼して
表現に持っていかなくてはいけない。
力技や思いつきだけでは出来ないコミュニケーション活動が
ここから生まれるのだろうか?
もちろん震災前からそうしたことをきちんとやりつづけている事例もたくさんある。
佐藤卓自身はそうして仕事をしてきたのだろう。
震災後の日本のマーケティングコミュニケーションは
確実に変化するだろう。と何人もの方が語っている。
では、それはどういったものなのか?
ということを考えるにあたってこの佐藤卓の言葉は
とても教訓的だなと思った。
山田洋二監督が4月にクランクインを予定していた
松竹の映画「東京家族」の製作が延期されることになった。
山田洋二監督は東日本大震災を経験し、
「震災以前と以後の東京、そして日本人の心のあり方は変わってくるのではないか」
と考えたことから、脚本の全面的な見直しを決断したそうである。
今年の末まで日本の様子を見て、
2012年の春の東京を舞台にした物語を描いていくという。
一歩立ち止まってみるという勇気も大切だ!
ということを、この山田洋二監督のコメントを見ると考えさせられる。