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脚本・演出 三浦大輔。ポツドールの久しぶりの本公演である。 三浦はこの数年、映画「ボーイズ・オン・ザ・ラン」を監督したり、 パルコ劇場プロデュース「裏切りの街」の作・演出を、したりしていた。 今回は2007年の「人間失格」以来の4年ぶりの公演。 日曜日の夜公演というのにスズナリは満員。 ポツドールが作って来たブランドがこうしてたくさんの観客を呼べるのだろう。 いつものポツドール的な仕立ては変わらない。 場所は空港の近くのマンションの1室。 主婦(篠原友希子)が韓流ドラマを見ながら洗濯物を畳んでいる。 全編に渡って三浦の独特な美意識が浸透している。 細かいところを含めてすべて。 それはタイトルの現れ方にしてもそう。 篠原はポツドール初出演。30歳。スカイコーポレーションのタレントである。 三浦の名前がこうしたキャスティングを可能にしたのか? 彼女が洗濯ものを畳んでいるときに息子が川に流されて死亡する。 そこから彼女と夫の「不幸」が始まる。 まるで昼メロをみているようなテイストである。 その表現形式は「裏切りの街」からつながっている。 夫は古澤裕介。激やせした彼が味のあるいい俳優になった。 夫婦は息子の死を経験し、家庭が崩壊しかかる。 第1部「不幸」。 ゆっくりとした展開。わざとだと思えるくらいの、感情の抑え方。 これは演出的な狙いなのか? 妙にゆっくりとした身体の動きが印象に残る。 エアコンの工事に来た、菅原(米村亮太郎)に、篠原は犯される。 髪の毛をひっぱり強引に。 その時、彼女は、生きているという幸福感を感じる。 そこから第二部が始まる「復活」?と題された項。 篠原は電気店に電話して米村の携帯電話番号を聞き出し、 彼を警察に訴えると言って家に呼びだす。 そこから彼女と米村の情交の日々が始まる。 このあたりは「裏切りの街」にとても似たテイストで進んでいく。 二人が愛し合うときにメロドラマのような音楽が流れる。 敢えて流しているとしか思えない。 そのウソ臭さと表面的なことが人間の闇を照らしだす。 この演劇は、人間の闇の部分にきちんと光を当て、 そこから見えてくる人間性を描こうとしたもの。 三浦作品では人間を描く時に敢えてそういった手法を取り続けている。 欲望を目の前で描くことによって、魂が浄化されるのを待つ。 そんなイメージ。 人間には聖なるものと邪悪なるものが必ずある。 邪悪なるものをデフォルメして描くことによって 根源的なところに光を当てようとしているように思える。 そのことに関して、三浦は自覚的なのかどうかわからないが、 結果がそうなっている。 独特の空気感が観客に重いものを残し、 その重さを考えることによって 新たに世界と向き合う。 そんな舞台なのだ。 米村は臨月近い女と暮らしている。 決して容姿がいいとは言えない女と質素な暮らしをしている。 毎日、同僚の遠藤(松澤匠)とエアコンの工事に出かけていく。 松澤は、米村を先輩として慕っている。 米村の楽しみは覚せい剤とテレビとセックス。 もう一つの流れとして 篠原と古澤との同じマンションに住む、夫婦がいる。 彼らは息子を亡くした夫婦を何とか立ち直らせたいと思い いろいろと世話を焼く。松浦裕也と高木珠里の夫婦。 しかし、決定的に違うのは、この夫婦は、篠原と古澤の夫婦とは 違う場所にいるという立場でものごとを見ているということ。 彼らはある種の優越感から、彼らの再生の手助けをしている。 決して、同じレベルには降りてこない、上からの目線で接している。 こうした、表面的な関係がある時期を境にして崩壊し始める。 米村が会いたいと言って篠原のところにやってくる。 法事に行くのを辞めて篠原は米村に会う。 米村は覚せい剤を持ってくる。いわゆる「あぶり」を篠原に経験させる。 最初、おっかなびっくりだった篠原は覚せい剤にのめり込んで行き、 どんどんと大胆になる。酒井法子のことを思い出す。 三浦の視点はいつまでもシニカルで批評的である。 きれいごとや表面的なものを全て取っ払った状態で人間はどうなるのか? を描こうとする。 その答えの一つがエンディングのシーンに現れる。 後半、どんどんと物語が進んで行き彼らの関係が破綻していく。 まるで暗黒小説を読んでいるかのような。 見ていてまったく飽きない素晴らしい舞台となった。 暗黒の果てに立ちあがってくるものがある。 と三浦は語っているのか?いないのか? 彼の真意はいつもわからないまま、 彼の創作を見続けることが、それを考える唯一のきっかけになる。 いろんな意味で、必見!9月25日まで。
by haruharuyama
| 2011-09-12 08:12
| 舞台
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