下関生まれのグー・スーヨンの映画最新作。
グーさんとは数年前、CMの仕事を立て続けに3本やることになり、
当時は毎日のようにグーさんに会っていた。
大食漢で大柄なグーさんは
繊細な感性とやんちゃな部分を併せ持つ。
まさにロマンチッカーな方である。
その頃「ハルキ文庫」から出ていた原作本を読んで、
これはまた破天荒な生き方をした若者の小説だな!と思ったとともに、
これってグーさんの自伝的な小説なんじゃないだろうか?とも思った。
下関の在日の子として生まれ育つ。
もともと頭のいいグーさんは地元でも注目を集める人だったのだろう。
今回、この映画は全編ロケ。
下関と北九州の小倉が描かれる。
関門大橋でつながれているこの場所は独特の雰囲気を持つ場所なんだな!
と映画を見て感じた。
一度、このあたりに旅行に行ってみたいなと思わせる風景がいくつも出てきた。
グーさんの原風景がこの映画の中にもいくつか出てきているのだろうか?
暴力とセックスと抗争が描かれる。
東映らしい映画でもある。
映画を見ているとその圧倒的な迫力に驚く。
暴力シーンやレイプのシーンの描写が凄い!
これは絶対に、R15になるな!と思いながら見ていた。
その圧倒的な暴力とセックスの向こうに透けて見えてくるものは、大きな虚無感である。
これがグーさんらしいところなのかもしれないな!とも思う。
その圧倒的な虚無感を抱えながら生きているグー(松田翔太)の
心を満たしてくれるものは?
女子高校生(小野ゆり子)との純愛がそれなのか?
グーは一体どこに向かっていくのか?方向性の宛てのないまま
大きな虚無を抱えてグーはますます、孤独になっていく。
その孤独感から見えてくるものは?
祖母の淡路恵子がいい。そして、真木よう子が印象的なシーンを残して行く。
瞬きが出来ないくらいのスピード感のある100分。ぜひ!