副題は「あなたは“常識人間”を捨てられるか。
ノマドワーカーとして有名になった安藤美冬という人がいる。
先日の「情熱大陸」に出演していた。
彼女は慶応大学を出て集英社に入ってバリバリと仕事をしていた、
その彼女が華々しいキャリアを全て投げ打ってフリーとなり、
現在はノマドワーカーとして自由にジャンルを横断して仕事をしている。
彼女は仕事をするための営業活動をしたことがないと言う。
ツイッターやFACEBOOKなどのSNSを駆使し情報発信をしていると、
仕事が向こうから舞い込んでくるらしい。
安藤のことを初めて見たのが「ニッポンのジレンマ」という
NHKの番組だった。
そこで彼女は、彼女のような新たな働き方のスタイルについて
語っていたのが印象的だった。
「情熱大陸」の中で彼女がこうしてフリーになるきっかけになったのが
本書「自分の中に毒を持て」を読んだからだと語っていた。
そういえば以前、先輩のMさんに本書を勧められて
本屋で買ったなあということを思い出す。
こういう時に「積ん読」も役に立つ。
岡本太郎は慶応幼稚舎に落ち着くまでに小学校を数回変わっている。
岡本が書いていたが、当時の教師の権威主義と
自分をごまかそうとする姿が見えて来て我慢がならなかったらしい。
そのことに小学低学年の岡本が反発し続けたことにも驚く。
岡本太郎は岡本かの子を母親にもち、風刺漫画家の岡本一平を父に持つ、
芸術家の家庭に育った。
岡本は小さな頃から一人前の人間として親と交流し、
様々な議論なども行われたらしい。
戦前生まれの家庭でそんな家庭があったことに驚く。
さらには、戦前に父親と一緒にパリに出かけて行って、
ソルボンヌ大学で哲学を専攻するような青年だった。
波乱万丈の生き方が語られる。
しかし、良く読んでみるととても素直でストレートな生き方をしている。
純粋なまま大人になっていき、その純粋さを失わないまま生きていく。
生きるのに大変なエネルギーがいり、生きていくのが大変だろう!
と推測される。そのことに岡本は自覚的であり。
そうして生きていくということ自体が芸術であると言う。
ここまで徹底した生き方を貫けると読んでいるだけで
とても清々しい気持ちになる。
安藤美冬もそんなところに惹かれたんだろうか?
こうした生き方を芸術と呼ぶと岡本太郎は言う。
芸術とは生きるということであり、
懸命に生きていると
その瞬間瞬間にエネルギーが拡散していくような気持ちになる。
毎瞬間ごとにビッグバンを行っているような。
それが岡本太郎の言う「芸術は爆発だ」のイメージだそうである。
TVCMに岡本太郎が出演し「芸術は爆発だ」と言った
当時流行したCMがあった。
その真意を30年近く経ってやっと理解することが出来た。
激しくも凄い人である。
いつも全てを捨てる覚悟がある人には誰も叶わない!