今年も「ぴあフィルムフェスティバル」が始まった。
雑誌の「ぴあ」は休刊となり、
ぴあはweb運営とチケット販売業務の会社となった。
今年は、京橋のフィルムセンターで行われている。
チケットの扱いもこのフェスティバルの事務局が
運営しているようだった。
当日券の販売が特設ブースとなっており、そこでチケットを購入する。
代休の金曜日。3時半の回に行ってみる。
今年はコンペティション部門に16作品が残り、
そこで各賞が決められる。
何とこの部門に応募した監督の平均年齢が23・6歳だと言う。
ものすごく若いのでは?
デジタルカメラの進化とパソコンで編集が出来てしまう
ということが映像制作の裾野を広げていることは確かだろう。
パソコンとカメラさへあれば何らかの映像作品は作れてしまう時代になった。
「故郷の詩」嶺豪一監督(22歳・熊本県)と
「継母」工藤隆史監督(22歳・神奈川県)を見る。
観客は数十人くらいだろうか?それと関係者が何人か客席にいた!
「故郷の詩」はなかなか面白かった。
熊本県人が東京に出て来てスタントマンになる夢を果たすべく
日々スタントな映像を撮って
熊本に残して来た彼女にそのDVDを送り続ける男の話。
若き情熱とセックスに対する欲望が渦巻いている
とても若者らしい映画だった。
カメラや音声、編集がちゃんとしており
きちんと見られるエンターテイメント映画だった。
それは、その次に上映された「継母」と比較すると歴然。
「継母」は稚拙な技術を味とするような短編だった。
継母とその娘。
血のつながっていない家族が、これからも家族で居られるのか?
父親の病気でこの二人はどうしていくのだろうか?
その数時間を描いたものだった。
父親は入院しており死期も近いのでは?
このフェスティバル。今年で34回目となる。
ここから出て来た独立系の映画監督も増えている。
映画会社が新たな監督を育てなくなって、
PFFが映画監督になるための一つの道となっているのも事実。
映画関係の大学を出て、映画助監督のアルバイトをするか?
助監督をするために別のアルバイトをしなければいけないみたいな
状況が実際にある。
その突破口の一つとしてこのフェスティバルの存在意義は大きい。
招待作品では1930年代から40年代のモノクロ映画が(「赤い靴」など)上映され、
またWOWOWの番組で放送されたドラマ
「贖罪」(黒沢清監督)なども上映された。
28日に受賞作が決定する。