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2時間52分。この日、劇場の開場前に多くの整理券を持った人が並んでいた。 夜の回に僕たちも並んでいると上映後のトークショウが終わったのか 人が劇場から出てくる。最初に想田監督が出て来る。 その後に知り合いのディレクターYさんにばったり。 Yさんは朝から6時間近くかけてこの「演劇1」と「演劇2」を見たらしい。 興奮で上気した顔で簡単に感想を述べてくれた。 夜の回の上映の後も、本広克行監督と想田監督との 対談があるというので多くの観客が館内を埋め尽くしていた。 想田和弘観察映画第3弾が始まった。 想田監督は米国のドキュメンタリーディレクター、 フレデリック・ワイズマンとよく似た手法でドキュメンタリー映画を製作する。 「観察映画」と言われているのだが、 想田監督が自らカメラを構えてその前で行われたことを 素材に想田監督が編集したものが「観察映画」となる。 その映画はナレーションや音楽、効果音さらには、 説明のテロップなどが一切排除されている。 観客はその編集されたものを「じーっ」と見続けることによって、 いまここで何が起きているのか?という想像の翼を大きくはばたかせ この映画と向き合うことになる。 それがとても知的好奇心を刺激する! 見ていてワクワクし、これはどういう意味なのか? と考えながら対象に向き合う。 しかも、今回取り上げた題材が、平田オリザと青年団という 過激な集団である。 過激というと、被写体自体は決して声を荒げたりしないので、語弊があるが、 とにかく新しい演劇の手法やスタイルを模索してそれを長期間やり続けている集団。 そういう意味での過激さ。 それは芸術に必要なものである。 平田は高校生のインタビューに答えて、 「新しいこと」は世間ではそう簡単に認めらない、 それは「本当に新しいこと」だから、 そんなことを多くの人は簡単には理解できないし受け入れない。 しかし、芸術家はそれを信じてやり続ける。 誰が何と言おうと地道に我慢強くやりつづける。 その孤独に耐えられるかどうかで芸術家が成功? (「成功」という言葉が適切かどうかわからないが) することになるだろう。と その時の平田さんの言葉と喋っている姿は仮面ではない!と思った。 想田監督は撮影していて 平田さんは僕の撮影しているカメラの前で演じているのではないか? とおっしゃっていた。 平田さんは決してカメラを見ない。 カメラで撮られていることがわかっているので、 撮られていることを前提に演じている、と。 本広監督と想田監督との話の中で伺ったのだが、 映画の冒頭部で平田さんがピンマイクをつけるシーンがあるが、 それをきっかけにオープニングタイトルが出る。 これは平田さんがこれからこの映画の被写体として 平田オリザという役を演じますよということの現れだ!と。 確かに言われてみればそう見える。 しかし、よくよく見ているといくつかの微妙な平田さんの喋り方や表情に、 平田さんの心の内面が見えて来るような気がした。 その一つが先ほど書いた「孤独に耐える」というくだり。 平田さん自身がおっしゃっていた言葉がある。 「演劇」を見るというのは人の心の内面を見る行為である、と。 それはドキュメンタリーというのも同じだ!と 平田さんは想田さんに話されたそうである。 ああ、面白いなあ!と思った。 僕自身、演劇とドキュメンタリーに強く魅かれるのは そういうことだったのか!といたく納得した。 帰宅する途中で映画館で購入したパンフレット(これも、とても面白い!)を 読んでいたら内田樹さんが同じようなことを書かれていたのを見て驚いた。 内田さんはさらにつっこんだ平田オリザの 微妙な表情の違いを読みとっていたのだった。 合気道をやっている方だから?なのか? 恐るべし、内田樹! 先ほど「仮面」という言葉を使ったが、 これは平田さんが講演をしている際に学生たちに説明したこと。 このシーンは実際に映画の中で出てくる。 平田さんは俳優が演じることをペルソナという言葉で説明する。 ペルソナは「仮面」という意味と「パーソン」という意味の両義がある、と。 その仮面と仮面の間を右往左往している瞬間に その人の本当の?人格みたいなものが見えてくるのでは?と思った。 平田さんも多くの役を演じている。 劇作家として、演出家として、講師として、大学教授として、 青年団という劇団の代表として、そして劇場の経営者として。 様々な顔(仮面?)が同時並行的に描かれる。 寸暇を惜しんで問題解決し、ちょっとの時間で眠る。 請求書の話をしたかと思えば、衣装についての話をし 採用の面接をしたりもする。 素の平田オリザはどこにあるのか?と想田監督のカメラは問い続けている。 それを模索し続けたものが 抜群に興味深いドキュメンタリー映画となった。 演技と演出そして俳優とは?などについても、 ここまで詳細に描かれた映像は他にないのでは? 演出(ディレクター)と名のつくすべての人に見てもらいたい。 この映画を見て、一日経ってこれを書いていて、 また、いろんなシーンを思い浮かべ反芻する自分がいる。 長く永く心の中に残る映画である。 11月23日まで。 さあ、今度は「演劇2」を見に行こう!
by haruharuyama
| 2012-10-25 10:11
| 映画
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