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「演劇1」の余韻がまだ消えない中、やっと時間が取れて見に行くことが出来た。 「演劇2」は想田和弘観察映画第四弾とタイトルクレジットにあった。 「演劇1」(観察映画第三弾)と「演劇2」は違うものである という解釈なんだろうか?実際に見て、「演劇1」と 違う視点から描かれたものだったことがわかる。 とともに、この2本の長時間のドキュメンタリー映画は本当に傑作。 コミュニケーションとは?演劇とは?行政とは?などの様々な問題に関して 考えることを与えてくれる。 想田監督も同じように考え「なぜだろう?」「なぜかしら?」と 思ったものが編集されて呈示されている。 観客はその思考過程を見て、それをきっかけに 自分なりに考えるという。 とても知的刺激を与えてくれる映画。 編集時の音声の使い方がうまい。 先に次のシーンの音が出て来てから画が始まったり、 あるシーンの音がそのまま残り、その音に対して 他のカットがインサートされたりする。 フレデリック・ワイズマンもこのようなテクニックを使って作っているが、 想田監督はそれをさらに一歩推し進めたカタチで見せてくれる。 また、2本の映画で特徴的なのは突然、無音になるシーンが 数箇所入るということ。 観客はその無音の音を聞き 想像力の羽を拡げる。 「演劇2」のオープニングタイトルが入る前に 民主党の議員が平田オリザと青年団の仲間たちのところに集まって 談話会をやるシーンがある。 松井孝治議員が平田オリザのファンでそこからこうした交流が生まれたと聞いた。 前原誠司議員なども来ており、 前原誠司と平田オリザが昭和37年(1962年)生まれであるという話をしていた。 この年代生まれは犯罪者が多いらしい。 ちなみに僕自身も平田さんと同じ昭和37年生まれ。 この時期はまだ民主党は政権を取っていなく、これから! という時期だった。 (※その後、民主党が政権を取り、平田さんは松井孝治議員と 「総理の原稿」を作成する。鳩山首相の原稿である。) 本作を見ていて何故だか泣けてしまう箇所が2か所あった。 何故、泣けて来たのかうまく説明が出来ないのだが、 一つは平田さんが鳥取県倉吉西中学校で演劇教育のワークショップを行うシーン。 偶然だが、僕自身、昭和37年に鳥取県倉吉市で生まれている。 小学校の時に大阪に引っ越したのだが、 そのまま中学生になれば西中に行ってたかも…。何たる偶然! そこで、生徒たちが平田さんの指導で演劇を学ぶ。 最初は平田さんの書いた簡単な戯曲を読み、 その後、各班に分かれてその戯曲を自分たちなりに変更して、 みんなで演じて発表する。 この創作の過程がまさに「演劇」! 生徒たちは嬉々として、お話を考え台詞を考える。 平田さんは絶妙なタイミングでその場をファシリテーションしていく。 それを生徒たちは聞き、さらに自由に創作をしていく。 その後、生徒たちは、俳優となり演じる。 その過程を見て原初の「演劇」の生成過程は こういうことなんだろうと感じ、何故だか感動し涙がこぼれた。 その後、この授業を聴講していた倉吉の先生に向けて 平田さんがワークショップを行う。 うまくいかないのはルールが悪いからというのがとても印象に残った。 うまくいくルールを考えてこそ、ワークショップが盛り上がる。 その過程を平田さんは論理的に明快に説明する。 平田さんはこうした形で草の根の 「演劇」や「芸術」に関する啓蒙活動をやり続けている。 使命感?なのか? とともに青年団の事務所に貼ってあった ブレヒトの言葉「まず食うことそれから道徳」を思い浮かべる。 (映画で、ときどき、この額縁がインサートされる!) 演劇みたいな総合芸術と呼ばれるものは 経済と連動している。 お金がないと何も作れない。 詩人が一人で詩を紡ぐというような芸術活動とは違うもの。 助成金制度や劇場に対する支援制度がないと 継続出来ないという現実をそれぞれに説いて回る。 平田さんは、演劇界でそのことを言い続けている 最大のスポークスマンの一人である。 メンタルケアの勉強会で平田さんは語る。 「身体は病院、頭は教育」がその解決を担う。 では「ココロ」はどうなのか?「ココロは芸術」が担っている、と。 以前、読んだ、「ギリシア時代に公共的なものが三つあった。」という 栗山民也さんの言葉を思い出す。 その三つとは「病院・学校そして劇場」と。 このジャンルに関しては公的な補助制度が確立されねばならない!と。 欧州で行われていることが、成熟社会となった日本でも さらに拡がることを願うばかり。 芸術に触れることによって気持ちがすっきりしたりすることってありませんか? そして、想田監督のカメラは海を超えフランスへ! ここで「砂と兵隊」の舞台が上演される。 平田さんは俳優とフランスに行って稽古をする。 そこに青年団の女優さんが加わっている。 静かにフランス語の台本を見ながら、 フランス人俳優たちの読み合わせの傍にいる。 最初、彼女は青年団の女優かどうかは観客にはわからない、 途中で彼女が参加して俳優なんだ!ということがわかる。 (観察映画の特徴。) その時にフランス語で台詞を読み合わせるのだが、 それをしている時に 言語は簡単には通じないかもしれないけど 確かにコミュニケーションが出来ているということを実感して、 またまた涙が流れてしまった。 文章にすると陳腐なものになってしまうが それをカメラは的確に捉えて僕たちに伝えてくれる。 彼女はこの公演のためにフランス語の学校に通って勉強したらしい。 しかも、その学費を青年団が補助してくれたと 彼女はまっすぐにカメラを見て語っていた。 平田オリザはそのようにして 「演劇」と「青年団」「こまばアゴラ」を維持しながら さらに、教育をやり続け、政治にも働きかけようとして 懸命に生きている。 「ブレヒトの言葉」を獲得するために戦い続けている 静かに笑う闘士の姿を、僕たちは この映画によって、見続ける体験が出来る。
by haruharuyama
| 2012-11-01 10:22
| ドキュメンタリー
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