劇場内、ほぼ満席。まだまだ、お客さんが入っているところを見ると
興業もいい成績が期待できるのではないだろうか?
前回の「エヴァンゲリヲン新劇場版:破」が
むちゅむちゃ面白かったので今回も劇場へ。
バルト9はエヴァのコーナーが出来ており、
カフェスペースもエヴァ関係で溢れている。
前回から14年の月日が経ったという設定だが、
主人公たちは特に年をとっている様子もなく、
飛鳥はいつもの調子で、ガンガン来るし、
綾波型アンドロイドは不思議ちゃん。
そして碇シンジは今回も苦悩するモラトリアムな少年である。
エヴァの上映前に「巨神兵東京に現る劇場版」が上映された。
これはナウシカの「巨神兵」が現在の、東京に現れるという設定。
実写と特撮とCGを組み合わせた短編。
これが、ほんとうに良く出来ている。
これはっ、ミニチュアセットじゃないか?見たいに撮影された東京の街?
(もしかしたら、本当のミニチュアなんだろうか?)
そこにいる実際の若者たち。
この光景は
箱根に新東京を創る前の破滅していく東京を描いているのだろうか?
巨神兵は見なれた東京の街をこれでもか!
というくらい破壊し尽くす。
そこには東京タワーも六本木ヒルズもあり、
そのすべてが破壊され焼きつくされる。
小惑星が東京を襲ったらこうしたことが起きるだろう。
特撮の得意な樋口真嗣監督作品、エヴァの庵野監督も、
そしてスタジオジブリの面々も名を連ねている。
このフィルムには
実験と冒険が満ち溢れている。
それから「エヴァ」がはじまる。
良く出来たアニメーション。
ものすごい音響と大画面の迫力ならではの作品。
「エヴァ」の戦闘シーンがとても多くの分量を占める。
その周辺から庵野さんが込めたメッセージを同時に読み解く。
そんな見方の出来る作品。
戦闘シーンを感じるだけでもいい。
この映画を見て戦うことがかっこいいと思うものはいないだろう。
身を削り相手を傷つけ破壊する。
それを庵野さんは徹底的に描く
、ここまで描かれたら、戦争をしたくなる人がほとんどであろう。
そういう意味では本作は極めて反戦的なアニメーション作品である。
そしてそこにまつわる、碇シンジとカオル君との関係、
ボーイズラブを思わせるその設定に魅かれる人も多いだろう。
生贄を奉れば魂は救済されるのか?
なぜ、わたしたちは生き続けなければならないのか?
そして、なぜ私たちは、生きていると闘わなければならなくなるのか?
平穏なものは、その後に訪れるのか?
そういったことを考えながら見る人もいただろう。
多様な解釈を残しながら、戦いがいったん終息し、映画は唐突に終わる。
つづく。
というクレジットを残して。
突然、巨神兵が現れ東京を破壊したように。
映画の構造自体も崩されようとしている。
鷲巣詩郎の音楽が素晴らしい。
ものすごく良く出来たサウンドデザイン。
終末観溢れた作品としてもみることが出来る。
期待を裏切らないアニメーションなどの技術に
感服しながら見るのも良いかもしれない。