ダイレクトマーケティングという言葉が
広告業界で広く知られるようになったのは数年前
くらいのことなのではないだろうか?
それまで、多くの広告会社はマスマーケティングを
中心に活動をしており、TVや新聞、雑誌、ラジオCM
を制作していた。
「ドモホルンリンクル」や「やずや」そして
米国発の生命保険会社などが、次々と
60秒のダイレクトマーケティングに基づいた手法をとった
TVCMを大量に流し出し、
その後ナショナルクライアントとも言える、
味の素やサントリー、フジフィルムなどの会社が
新製品とともに大量に直接販売を行い始めた。
サントリーで言うところの「セサミン」などが
その最たる例と言えるのではないだろうか?
そして、現在、このダイレクトマーケティングの手法は
ネットを活用した広告手法や販売手法に応用されている。
顧客の好みを知り尽くしたコンシェルジェのような人がいて、
それが特定の顧客に語りかけてくる。
「あなたは、こういったものが絶対好きですよ!」
以前なら良く知った友人たちから口コミで勧められ
購入していたものが、いまは向こうからネットを通じてやってくる。
その最たる例が「アマゾン」ではないだろうか?
書籍販売から始まったアマゾンは、
販売領域をますます拡げ食品や小物といったものまでをも扱うようになった。
アマゾンで注文したことがない人の方がいまや多いのでは?
本書の著者レスリーワンダーマンは
こうした具体的事例の販売手法を行うためのマーケティングを
戦後すぐから始めた人であり、このダイレクトマーケティングという言葉を
始めて使用した方であるらしい。
本書を勧めてくれたのが、グーグルアドワーズなどを利用して
企業などのHPに誘導しクリック率を上げ
直接の購買や資料請求につなげていくための
マーケティングコンサルティング会社の人からだった。
ワンダーマンの手法の基本が今のネットを利用した
マーケティングにつながっている。
ワンダーマンは1947年にマックスウェル・ザックハイム&カンパニーに入社し
上級副社長になり、1958年に現在のワンダーマンを設立。
ここでは1947年からのワンダーマンの現在までの半生が描かれ、
それがそのままダイレクトマーケティングの
これまでの手法や成功事例の説明にもなる。
最初はダイレクトマーケティングは
雑誌に無料はがきがついていて、それで資料を請求すると、
さらに詳しい冊子などが送られ、入会や購入するまで、
その後、幾度となくDMが送られてくるというもの。
リーダーズダイジェストやタイム、そしてTVガイドなどに
広告を掲載させ、興味がある人から請求が届き、
というようにして直接、購入者にコンタクトしていく。
と、同時に本書は一広告人の起業からどのようにして
現在まで至ったかという広告業界のドキュメントでもある。
いづれにしてもアイデアというものが人を驚かせ、
行動を喚起するという意味では同じである。
そのためにはいかにアイデアを出して行くのか?を
考え続けなければいけない。
これは楽しい仕事ではありませんか!