この劇団の創設は1984年というから来年で30周年を迎える。
イングラインドの南西部のエクセター大学演劇科の卒業生によって結成された。
学生の演劇活動からずうううっとやっている
カンパニーは俳優とともに年をとっていくというのは
日本もイギリスも変わらないんだな!と思った。
フラットな空間の左右に小道具が無造作に置かれている。
真ん中にケーブルにつながったマイクが一つ。
5人の俳優たちが出て来て私たちの前で何気ない感じで立っている。
真ん中の女優さんが床のマイクを拾って喋り出す
「良い物語とは?」ということについてを語る。
良い物語とは様々なケースがあり、その様々な良い物語とは?
ということを語り続ける。
と突然、別の俳優がそのマイクを奪い、自らの話などを語りだす。
そうしてマイクをもっている一人の俳優とそれ以外の4人の俳優たちが
舞台のいろんなところでいろんなことを始める。
その試みは自由奔放で縦横無尽。
何でもありなライブみたいなもの。
これを稽古でああでもないこうでもないと言いながら作り上げていくのは
とても面白いのではないだろうか?
上演時間が1時間45分と書いてあったのにもかかわらず、
この日は、2時間近くの上演となっていた。
こうしたこともある裁量が俳優たちに任されている自由さの表れなんだろうか?
そして、この舞台はまさに音楽ライブ的な要素も加わってくる。
アップライトピアノ。ドラムセット。縦笛。風の効果音を起こす器械。
エレキベース、そしてギター。
これらの楽器たちが俳優たちによって演奏され現れては消える。
これらの突然起こる出来事は舞台の上での「嵐」なのかも知れない。
嵐が突然来ても見ている観客はそれが通り過ぎるのをじっと
待っていなければならない。
そんな自虐にも満ちた批評的な企みがこの公演にあったのかも。
皮肉屋の英国人ならではとでも言えるのだろうか?
東工大の谷岡健彦先生もいらしており、にしすがもから池袋への移動の際に
少しお話を伺った。このカンパニーは英国では有名で
日本にも何度か来ているとのこと。