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3月は卒業と旅立ちの月でもある。 学校は毎年、卒業式を行い、生徒たちは、旅立ち新たな人生へと向かっていく。 学校側の先生たちは彼らを毎年見送り、そして4月になると新入生を迎え入れる。 その繰り返し。本作は英国のパブリックスクールが舞台。 英国のパブリックスクールは私立の全寮制で 人格教育までをも行う学校。 私立なのに「パブリック」(公共)であるという思想が、 そもそもの教育機関の意味なんじゃないか?と誰かが書いていたのが記憶に残っている。 13歳から18歳までをこのパブリックスクールで過ごし、 そうしてその後、英国で言えばケンブリッジ大学みたいなところに進学する。 本作の作者であるテレンス・ラティガン自身も英国のパブリックスクール出身なので 彼の過ごした学校での体験なども戯曲の中に取り入れられているのだろう。 ラティガンは1911年生まれで1977年没。 戦前の豊かな時期に学生時代を過ごしている。 翻訳・演出は小山ゆうな。小山さんはドイツで演劇の勉強をしていた。 日本に帰国し、演劇関係の活動をし、演じることを教えながら活動をされている。 前作の雷ストレンジャーの公演 ドイツの戯曲シラーの「群盗」と、まったく違う趣向の舞台を作り上げた。 若い俳優たちが懸命に演じた前回の舞台とは違い、 今回はモロ師岡さんをはじめとするベテラン俳優たちのキャスティングで、 このウェルメイドなお芝居を丁寧に見せていく。 舞台はモロ師岡演じる先生の書斎であり応接でありリビングであるところ。 こうしたパブリックスクールは学校の施設内に先生の住居もあるのだろうか? 彼はギリシア古典文学を教えている。 世間で言うところの教養教育をこうしてきちんと行っている。 教養教育(リベラルアーツ)の大切さが最近、また言われるようになったが、 この年になると本当に、そう思う。 先生はギリシア語で書かれた古典文学のギリシア悲劇「アガメムノン」を翻訳しながら、 その魅力について語る。 しかし、大半の生徒たちは先生が考えている本当の魅力に気づいているのだろうか? とも思った。 僕の高校の時に英語のリーダーを教えている 江戸先生という方がおり、ワーズワースの詩だったかを、 原文で韻をつけながら読まれていた。その時は「変なの?!」と 思っていたのだが35年以上たった今も、あの江戸先生の発する朗読の音の印象と 授業の風景が思い出される。 教育って?ということを改めて考える。 35年経ってあの時の価値がわかる生徒もいるということだ。 この舞台での先生もこれと同じようなことを感じているのかもしれない。 いつかわかるときがくる。そしてわかってくれる生徒はいる、と。 この先生のある種の寂寥感を、この書斎に最後の補習にやって来た生徒が救う。 「ブラウニング・バージョン」とは、アガメムノンの英語訳で 「ロバート・ブラウニング」さんが翻訳したバージョンのもの。 日本で言うと、村上春樹訳とか柴田元幸訳とかになるのだろうか? 言葉を大切に扱い時間をゆっくりとかけてそれに向き合う。 その丁寧な時間と空間がとても上手に描かれており この舞台の空気を作っている。 ある凛とした空気と言えばいいのだろうか? その凛としたところにアカデミック的なものがあるのかもしれない。 この先生には一回り下の若い妻(紫城るい)がいる。 もはや二人の肉体関係はなくなっているのかも知れない。 若い妻はこの学校で教鞭を執る若い先生(萬谷法英)を誘う。 モロ師岡演じる先生は 生徒たちとのこと妻のことあることないことをすべてを受け入れ、この学校を出ていく。 その旅立つ前日の数時間の物語である。 しかし、この数時間の中で この老教師の人生と生きる意味が描かれる。 小山ゆうなはそれらを丁寧にすくい取りながら しみじみとした 丁寧な舞台を創り上げた。 劇中で流れる楽曲、ハイドンの「オンブラ・マイ・フ」がいい。 上演時間約90分。3月9日まで。
by haruharuyama
| 2014-03-07 08:16
| 舞台
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