料理は本当に奥が深い、
まだまだこんな食べ物があったのかと思い知らされ、
それが美味いとなると、何でいままでこんな美味いものを知らなかったのか?
と後悔することになる。
毎年代々木公園で5月の中頃に
タイフードフェスティバルというのが行なわれる。
首都圏のタイレストランがテントの中にブースをもって出品している。
その料理を、屋台形式で食べながらタイビールなどを飲み、
タイのフレッシュなフルーツなどを頂く。
大学時代の友人がこのフェスティバルが異常に好きで、今年も誘われた。
僕たちは今年2度目の参加だった。
あいにく、土曜日は雨がしとしとと降り、とても冷たい。
5月中旬とは思えないひんやりとした空気に、
暖かいタイ料理もすぐに冷めてしまう。
午後の早い時間に切り上げて、どこか暖かいところで
温かいものを食べながら飲みなおそうということになり、
ぶらぶらとNHKを抜け、渋谷方面へやってくる。
そういえば、あそこに韓国料理の珍しい店があったなあ?
夜はいつも一杯で予約とれなかったなあ、というお店があることを思い出した。
それが、「ボンチュチムタク」というお店。
場所はパルコの向かい、シネマライズの並びの雑居ビルの3階。
同じフロアーの向かいに昔からの「HOME‘s PASTA」という店がある。
ここの、アラビアータはスープが多くなかなか美味い!
海鮮チジミとボンチュチムタク1羽分を頼む、飲み物はチャミスル。
もうここに来るまでにビールをのみ、
家から持ってきた「八海山本醸造」を1升あけている。
韓国料理の煮込み鍋もいろいろあるが、
この「ボンチュチムタク」は初めて。
鶏の煮込みというと「サムゲタン」を想像するがそれとは違う、
またジャガイモと豚肉の背骨が入っている辛いチゲで
「カムジャタン」というのがあるがそれとも違う。
この店のHPから引用する。
「鳳雛チムタク」は安東という地方で何十年も前から伝わっている料理を現代人の口に合うように味付けとソースをグレードアップさせたフュージョン料理です。地鶏ならではのあっさりした味,チョンヤン唐辛子の辛さ,色んな味付けの 甘さ、コシのあるチャプチェ(春雨)の食欲をそそる味、ドンチミ(キムチの一つで香辛料をほとんど入れずに大根を薄い塩水に漬けたもの)のあっさりした味が一団となった独特な味が素晴らしいです。とある。
普通のチゲよりも甘辛い。どちらかというと甘辛く煮込んだ
スキヤキみたいなものだろうか?
鶏が一羽まるまるぶつ切りにされて入っている。
従って鶏の様々な部位を骨付きで食べることが出来る。
骨と肉の間にあるゼラチン質の軟骨なども一緒にムシャムシャと食べる。豪快に!
また、甘辛いだけにご飯に合う。もちろん、お酒にも。
「チャミスル」の香りと、「ボンチュチムタク」の美味さが渾然一体となり
意識が朧げになった僕は、夕方の街を、地下鉄で帰っていった。
不思議な一日だった。