トラッシュマスターズの中津留章仁が
若い俳優と芝居作りを目指すユニット。
久しぶりのタイニイアリス公演。
前作も濃厚な舞台で面白かったので、当日券でトライ!
新宿二丁目の真ん中にある劇場なので。周囲の雰囲気も独特。
最近はオープンカフェ形式なお店も増えており
簡単にふらっと入って一杯飲めるようなバーも増えているみたいだ。
入場前に上演時間を確認する。
今回は約3時間弱だという。
いつも中津留の舞台は休憩なしでこれを上演するので、
観る方も覚悟と体力がいる。
開演前に近くのお店で用を足して劇場に!
自由席なので早めに行って椅子席などを確保するのがいいのでは?
普通に座っていても3時間はかなりおしりがいたくなる。
が、中津留の舞台にはその「おしりの痛さ」を忘れさせてくれるだけの強さがある。
若手あるいは経験の浅い俳優たちが出演しているので
演技のぎこちないところは多々あるのだが、
中津留の描く劇世界の濃厚さと激しさがそれを超えていく。
そんなところがこの「中津留章仁Lovers」の魅力では?
(以下、ネタバレ含みます)
デリヘル嬢とのセックスのシーンからこの舞台は始まる。
自宅に呼んで、お金を払ってセックスをするという風俗。
ここには14歳になる男の子と16歳の娘(高校生)と母親が住んでいる。
母親が交通事故を起こした!
その被害者の男性は
この家でこの家族と一緒に住むようになる。
足に後遺症が残ってしまった男は、仕事に
つかずぶらぶらとしながら毎日パチンコなどをしている。
それを、良く思わない息子。
男は時々、この息子に暴力を振るう。
という、濃密なシチュエーションの中、
暴力とセックスなどが劇中で何度も描かれる。
中津留はそうした刺激的な演出をベースにしながら、
その裏に潜む社会の問題をあぶりだしていく。
今回の舞台でもF1(福島第一原発)などのエピソード、
福井の「もんじゅ」などの名前が登場する。
俳優たちは若くて経験が浅いようなのだが
一人一人を見ていると魅力的でビジュアルもいい!
観客も俳優の卵じゃないか?と思えるような若い男女がたくさん来ていた。
協力のところにレプロとかケイダッシュなどの名前があったので、
そこに所属している若手俳優たちも登場しているのでは?
トラッシュマスターズと同じく構成は少年が14歳だったときが前半にあり、
長い長いストーリーの展開を暗幕に映し出しながら語る暗転を挟んで
約20年後?の話が後半で語られる。
前半と後半の話がシンクロしていき、その中に潜んでいる闇を暴き出していく。
アンモラルな表現も多く、このユニットで冒険しようという企みが見えてくる。
そして、それが刺激的なので演劇を見ている方は、中津留作品をまた見たい!
と思うようになるのだ!
重い韓国映画などを想起させる
独特の舞台の作り手としては、オンリーワンでは?
8月31日まで!