怖い怖いと見た人がSNSに上げていて、
どんだけ怖いねんと思って見に行ったらほんまに怖かった。
こういう怖さが本当に怖いということなのだろう。
人の心理の深層にある不安とか不信みたいなものを刺激し続けるような。
そして、本作の中で一番怖いのは実は世間である。
この世間が怖いというのはマスコミが発達し、
すぐに取材され放送されたりウェブで公開されたりする時代になった
というのが一番の理由だろう。
そして世間はゴシップ報道が大好きである。
明らかに今の時代を反映した作品となっている。
2時間20分ほどあるのだが
まったく退屈せずに次はどうなるんやろう?と思って見続ける。
ある米国の地方都市に暮らす夫婦のお話。
夫の地元である。
二人はNYで仕事をしていてあるパーティで知り合って恋に落ちた。
二人はNYに住み共働きで楽しい夫婦生活を過ごしていた。
夫はファッション系のライター。妻はクイズ番組の作家。
妻は何とハーバード出身の才媛である。
夫の親の介護などがあり夫と妻はNYからこの地方都市に引っ越してくる。
二人の何回目かの結婚記念日の朝、事件は起きる。
夫は妹の経営するバー、その名も「The Bar」!でバーボンを飲みながら
人生ゲームをするというシーンで始まる。
夫が家に戻ると妻はいなくなっており、
そこには結婚記念日恒例のクイズ形式の置手紙が・・・。
ここから実は、という急展開が起きる。
カメラは夫側から描き出すもの、
妻側から描き出すものと交互に編集され、
同時並行的にこの事件は進んでいく。
そこに過去の回想シーンが入ったりしていて
どんどん二人に肉付けがされていくというスタイルである。
妻は子供のころから「アメイジング・エイミー」
として世間からその存在を知られていた。
「アメイジング・エイミー」はイラストのキャラクターである。
妻はそのモデルとして知られており、
ときどきその理想的なキャラクターと自分自身とのギャップで苦しんだりしている。
その「アメイジング・エイミー」を創作したのは彼女の両親である。
両親は娘を自慢の娘だと思い。
「アメイジング・エイミー」は世間的に良妻賢母的な
おじょうさんキャラクターとして拡がっていく。
このエピソードが今回の事件の影をさらに大きくしている。
世間からどう見られているのか?ということを
絶えず意識して生きて行くことをこの女性は
選ばざるをえないような状況になっている。
それが事件の影とともに恐ろしい彼女の持つ闇となる。
それが恐ろしい。
具体的な詳細はぜひ映画館で見てください。
クリスマス前だからか、この映画をカップルで見に来ている人が多くいた。
あのカップルは映画観賞後どんな会話をするのだろう?
決して他人ごとではないのでは?