押上駅は3つある。都営浅草線。営団半蔵門線。そして、東武伊勢崎線。
そんなにたくさんの路線が集中している場所だなんて、全然知らなかった。
駅も、半蔵門線などが新しく出来たのでとても清潔でびっくりした。
向島に近い下町のイメージと少し違っていることにとまどいながら、地上に出た。
するとそこは、まごうことなき下町の風景が広がっていた。
西へ行くと隅田川、南へ下ると錦糸町や亀戸となる。
居酒屋や大衆食堂が昭和の面影を残している。
空襲で焼け野原になった場所だけに、ところどころ広い道がある。
但し、人通りは少ない。ここが同じ東京かと思うことになる。
商店街には、すみだ川へ新東京タワーの誘致決定!
というポスターやのぼりがところどころで見かけられた。
まるで地方都市の光景を見るようだった。
「スパイス・カフェ」は押上駅から歩いて10分ほど行った住宅街の中にある。
昭和に建てられた木造の一戸建てを改造したレストランである。
一部屋だけは、ギャラリーになっている。
地元のアーティストの作品が展示されていた。
入り口のガーデニング植栽が気持ちよく、路地に迷い込むうちに、
このお店のオーナーの志を強く感じることとなる。
最近、カレーに凝っており、スパイス関係がマイブーム(私語?)となっている。
カレーのことをネットで調べていると、ここにヒットすることが多かった。
今日は、さいたまの帰りに行ってみようと予約の電話をしてみたら、
たまたまカウンターの2席のみ空いていた。
3000円のおまかせコース。
1皿目「ニンジンのサラダ、クミンシードが効いている。ベーコンのキッシュ、
バターの風味が香る。インゲン豆をすりおろして味付けたディップ。
青菜のスパイス炒めアチャール 、マスカルポーネチーズにハチミツを!」
2皿目「生ハムとパルメジャーノチーズを載せた、レタスのサラダ。」
3皿目「香草の練り込まれた自家製ソーセージのグリルとオーブンで焼かれた、
ポテトチーズ添えとプチトマト。」そして、この後、
4皿目でついにカレー登場。ご飯の大盛りも無料!
白くしっかりと硬めに炊かれたご飯に、ニンニクで香りをつけたキャベツが添えられる。
カレーは3種。辛口のマトンカレー、中辛のサンバルカレー、甘口の野菜カレー。
う、うまあああいいい!
最初は1種類ずつ食べる、そして今度は2種類を混ぜる、最後に3種類を混ぜる。
順列組み合わせによって、7通りの味が楽しめることになる。
飲み物は生ビールから始まり、白ワインへ。
2000円から5000円までのものがきちんと揃っている。
しかもワインリストにカレーにはワインはあまり合いません
と書かれているのが面白い。但し、3皿目までにワインは十分飲み干せる。
カレーの時には「水」と「カレー」。食後に「グラッパ」を頂く。
5皿目はデザートである。
「チョコレートケーキ、イチゴのムース、硬めのプディング」の3種が少しずつ載っている。
「グラッパ」と「コーヒー」とともに。お腹いっぱいになる。
これで、2人で約1万円。
ヨーロッパの地方都市のビストロみたいなところで食事しているような気分になった。
墨田区、恐るべしである。
「写真」お店のHPより。