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ここ数年の前川知大の仕事は高いレベルを維持し衰えを知らない。 そして、また今回の新作でも高いレベルの舞台を見せつけられた。初日観劇。 初日とは思えない完成度の高さ。知的好奇心を刺激する2時間15分の 上演時間があっと言う間に過ぎて行った。 前川さんは力強い物語を作りその大きなチカラで観客をぐいぐいと引っ張っていく。 一見不条理で不思議な世界にある種のリアリティを与え 見ている人たちをその世界に連れていく。 見ていて、先日読んだばかりの村上春樹「騎士団長殺し」(@新潮社)を思い出した。 ムラカミワールドにも似た奇妙な、しかし力強い物語性がこの舞台を覆っている。 「騎士団長殺し」読了後に村上さんの創作の秘密に迫る 川上未映子との対談集「みみずくは黄昏に飛びたつ」(@新潮社)を読んだ。 そこには、まさに「物語る」ということが書かれており、 村上さんが小説の優れたストリーテラーだとしたら、 前川さんは演劇界での優れたストリーテラーであるのだろう。 論理的で理知的なセリフなのだが きちんと喋り言葉として書かれているので違和感なく身体に言葉が入ってくる。 この身体感覚というのが演劇の最大の特徴であるのだが、 今回はその身体性を前川さんは自らの体験なども踏まえた「食べる」ということから表現された。 舞台はある料理研究家のキッチンアトリエとでも言う場所である。 完全な菜食だけの料理家。そこでTV番組の収録が行われるところからこの舞台は始まる。 橋本という料理家(浜田信也)と助手の恵(小野ゆり子)そしてキャスター役の村岡希美。 TVの収録後、この教室で学びながら手伝っている寺泊優子(太田緑ロランス)の紹介で ここでの菜食料理についての取材にロランスの夫である寺泊満(安井順平)がやってくる。 安井は浜田に取材インタビューを始める。 健康食品詐欺や偽医療の取材経験が多い安井が浜田に興味を持ったのは、 浜田が戦前に食餌療法を提唱していた 長谷川卯太郎という医師にそっくりだったことが理由らしい。 安田は、この男は実は、長谷川の孫ではないか? という仮説を立ててインタビューにやってきた。 インタビューの前に、実は安井は重い病気の初期段階であることがわかる。 それを知った浜田は今まで語ってこなかった自らのことを語りだす。 実は私は、その長谷川卯太郎本人であり、現在122歳であると。 (ここまでは劇場で配布される折り込みに書かれてあったので記載した。これ以上は劇場でお楽しみください。) そして長谷川は自らの長い長い半生を語り始める。 そして登場する俳優たちが長谷川の半生を語る中でいろんな役を演じ舞台上でその様子が再現される。 その波乱万丈な人生を追いかけているだけで面白い。 そして、本作の最大のテーマは「生きるとは?」ということ。 これから人生100年時代に突入する。 現在、日本で生まれた新生児の平均寿命は107歳になるだろうという試算もある。 年を取るとは、そしてどのように人生に向き合うのか? ということを前川の戯曲が作品を通して伝えてくれる。 前川さんがいつも意識されている人間の意識や知覚そして身体のことについて考えさせられる。 実際そうなのだが、私たちは自然の流れにテクノロジーで対抗しようとするベクトルが確実に存在する。 前川さんの「太陽」などでも描かれているが、人工的で合理的で理知的な生き方と 自然の存在としての対比が見えてくる。 その間で葛藤する人々の姿が描かれる。 簡単に結論が出るような話ではない。 そのことがエンディングシーンに良く表れている。 海外の人にこれを見てもらいたいと思った。 ここには世界中の人たちが共感できる普遍的な何かがある。 (そういえば、前川さんの「散歩する侵略者」を黒澤清が映画化し、 その作品がまさに今、カンヌ映画祭の「ある視点」部門に出品されているらしい。) 個性豊かな俳優たちをうまく活かしている。大窪人衛や森下創などなど いいシーンがたくさんあります。 今年、必見の一作。6月4日まで。その後、大阪公演。
by haruharuyama
| 2017-05-17 08:54
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