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ドイツの児童文学のベストセラーが原作の舞台。 見て、この原作を宮崎駿が読んだら、 新たに翻案して素晴らしいアニメーション作品にするのではないか?と思った。 過去の少年たちの夏休みを扱ったものとして、 スティーヴン・キングの傑作「スタンド・バイ・ミー」に匹敵する作品。 「スタンド・バイ・ミー」は1950年代のオレゴン州での12歳の男の子たちの話。 そして本作は現代の14歳のベルリンに住む少年たちの話。 現在は世界がより複雑になり14歳の少年たちの気持ちも簡単に描けるわけではない。 作者のヴォルフガング・ヘンドルフはその複雑な状況を複雑なまま私たちに提示する。 本作は舞台化されドイツでは2011年の初演から今でも再演を重ねているらしい。 ドイツ人の人間的な成熟を感じる。 国民の成熟度を測るのにどのような作品がその国で受け容れられているのかは とてもわかりやすい指標となる。 日本での上演を演出するのは小山ゆうな。 ここ数年、翻訳劇などを中心に精力的に演出を行っておられる。 今年、お子さんを出産されているのだが、 子育てをしながら年に数回の公演の演出を行っているのを見て感心する。 小山さんはドイツ・ハンブルク出身。ドイツの文化・芸術に対しての知見が深い。 2010年まで劇団NLT演出部に所属されており、現在はフリーの演出家として活動されている。 数年前に上演されたイプセンの原作の「人民の敵」は評判となった。 朝のNHKのTVドラマ「花子とアン」の主人公:村岡花子と同じ東洋英和女学院から 早稲田大学に進学され演劇を専攻された。 その小山さんが満を持して世田谷パブリックシアターの主宰公演に挑戦した。 若い俳優3人(柄本時生、篠山輝信、土井ケイト)とベテランの俳優2人(あめくみちこ、大鷹明良)の5人だけの舞台。 実際にはたくさんの登場人物が出てくるのだが柄本、篠山を除いた俳優たちが ありとあらゆる役を演じる、豚の役まで!! 誰とも仲良くなれず孤独な学校生活を送っている8年生の篠山輝信。 あこがれの美人の同級生タチアナのパーティーにも呼ばれない。 ロシアの移民でこの学校に転校してきた柄本。彼もパーティーには呼ばれていない。 欧州の学校は9月に新学年が始まる。8年生の終わりの夏休みのお話。14歳。 日本では、14歳の夏休み明けの初日に学校に戻りたくなくて 自ら命を絶つ子供が多いと聴く。 そんな子供をできるだけ減らそうと言う取り組みが進んでいる。 本作にはそうした状況を打ち破るヒントがたくさん描かれている。 子供たちは旅をすることによって成長し、いろんな人と出会い体験をすることによって感受性を豊かにさせる。 本当の友達は評判などで相対的に決まるものではない! 本当の友人は生涯に一人か二人いればいい。 私くらいの年になるとそう実感できるのだが、14歳の子供たちはその意味がわかるだろうか? 篠山の両親はいつも喧嘩ばかりしている。 母親(あめくみちこ)はアルコール依存症で入退院を繰り返している。 この夏も数週間の入院となった。 父親(大鷹明良)は会社を何とか経営しているのだが、 妻が入院している間に仕事の出張と銘打って秘書と呼んでいる愛人? と夏のバカンスに出かけてしまう。 そんな状態の篠山のところにある日、柄本が車!を運転してやってくる!? 旅に行こう!東へ行こう!と そうして二人の車での旅が始まる。 映像を駆使した演出がいい!カメラでミニチュアを映して車やガソリンスタンドを再現したり、 麦畑に突っ込んで車が疾走するシーンは麦畑をすれすれの高さで飛んでいる空撮映像が映し出される。 美術セットをたくみに使い、天井がスクリーンへと変化する! スクリーンのサイズはスマホ動画と同じ縦長動画である。 インスタグラムなどのサイズを想像してもらえればいい! そのサイズの映像が流されるのが現代的な感じがする。もはや横長画面だけが動画の画面じゃない。 戯曲での自然描写がいい!とても情景描写が情緒的なのだ。 自然な現在の口語に翻訳されているので聴いていて違和感がない。 翻訳劇にありがちなしゃべり言葉にならない言葉を聴かされると観客はそれだけで引いてしまう。 旅の途中で様々な人と二人は出会う。パン屋のおばさん、ドロドロのスープ?を食べさせてくれる家族。 ライフルをもったおじさん。そして、ごみ置き場に住む少女(土井ケイト)。 「未来少年コナン」という宮崎駿の傑作アニメの中に登場してくるジムシーにそっくりな女の子。 まるでコナンとジムシーとラナの3人組のよう。男女3人の旅が挿入される。 旅を通じて子供たちは成長する。 その成長のスピードが速いことが見ている観客の心を揺さぶる。 自ら考えて行動することによって変化し成長する3人。 確たる根拠もなく疾走する若者の気持ちが、二人が運転する車に置き換えて描かれる。 その疾走する気持ちが爆発する! エンディングの裁判のシーンが印象に残る。篠山と柄本の二人の交流が描かれる。 「記憶にございません」などという弁護士に指導されたような言葉はここにはない。 後半は見ていて心の奥がうずきウルウルが止まらない! 14歳を体験した、またこれから14歳を体験するだろう多くの人に見てもらいたい。 15分間の休憩入れて上演時間約2時間30分。27日まで。公演2日目に観劇。 裁判に至るシーンで柄本さんが独白するシーンの詰めを もう少し丁寧に演出すればもっと良くなるな!と思った。
by haruharuyama
| 2017-08-16 09:03
| 舞台
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