ミュージカル「100万回生きたねこ」が素晴らしかったといろんな方からお話を聴いていた。
結局、2013年の初演もキャストを変えた2015年の再演も見に行くことが出来なかった。
とくに初演の満島ひかりと森山未来の公演が素晴らしかったと聴く!
満島ひかりは歌がうまい!と話題になった。
そういえば、カロリーメイトのTVCMで満島ひかりが
中島みゆきの「ファイト」をアカペラで歌ったのは
その1年前の2012年のことだった。傑作CMです。
その「100万回を生きたねこ」の製作スタッフが、
芥川龍之介の短編小説をベースに新たな舞台を制作することになった。
この公演に気づいた時は「時」すでに遅し!チケットが取れない!
公開直前に立見席が一般発売されるのがHPに出ていたので発売初日に申し込んだ!
前半55分休憩15分後半60分の舞台なので
立ち見でも問題ない!
立見席はチケット代が4000円と安い!通常のチケットだと何と1万800円!
演出はイスラエルのインバル・ピントとアブシャロム・ポラックさん!
彼らは美術や衣装・振付までをこなす。
際立った個性から生まれる創造物はまったく新たなクリエイションを感じる。
まずは舞台のプロセニアム(観客席と舞台を仕切る額縁型の壁面のこと)
の形が独特な曲線を描いており
ガウディ建築やアールデコ建築などを彷彿とさせる。
舞台美術は胞子植物をモチーフにした森が奇妙な世界観を増幅させる。
ティム・バートンなどが描くような世界でもあり、
こうしたクリエイションはどういったところから生まれてくるのだろうか?
「羅生門」や「藪の中」「鼻」「蜘蛛の糸」など
芥川龍之介のいくつかの短編が組み合わさって構成されている。
この舞台の印象的な要素としてお芝居・ダンス・音楽とあって
それぞれが高いパフォーマンスで行われている。
しかしながら、どうもこの三要素がバラバラに提示されていて一貫性がない!
それを貫くものが見えてくるといいのにな!?と思った。
例えば、「蜘蛛の糸」のハスの花や天上界そして満島ひかりのお釈迦さま、
餓鬼を演じるダンサーたち、などなどはとても印象に残っているのだが
そこだけの印象的なシーンにとどまってしまっている。
ただし、やはり満島ひかりは歌がむっちゃ上手かった。
柄本 佑、満島ひかり、吉沢 亮の関係がわかりにくく
そこで出会う田口浩正、小松和重、銀粉蝶とのエピソードを
もっとわかりやすく描けばよかったのかな?
例えば、3人で旅をするのだが感覚がバラバラで言っていることが良くわからなく
それって「藪の中」!みたいな不条理劇にするのも面白そう。(笑)
脚本の長田育恵さんに怒られそう…。ですね。失礼しました。
ただ、演劇体験という意味では
素晴らしい音楽やダンスとともに印象に残る作品。25日まで。