フェスティバル/トーキョー17(F/T17)今年、初めての観劇!
規模が毎年縮小しているのが気になっているこのフェスティバル!
いままでのようなドキドキするプロジェクトを毎年楽しみにしている。
今年は場所の特徴を生かして「シアターイースト」と「シアターウェスト」との
両方で同時に芝居をしてそれが直接つながっていくというもの。
こうした実験は、まさにフェスティバル/トーキョーらしい試み。
両作品を見たTさんからおススメされイーストを拝見。
時間の都合でこちらの公演しか見られないのが残念。
柴さんはこの数年、福島や小豆島などの地方でワークショップを繰り返しながら
演劇の創作をおやりになっており、その経験が
舞台の構造や演出に変化をもたらしたとアフタートークでおっしゃっていた。
イーストはプロセニアム構造で観客と舞台が対面した状態で見せている。
柴さんの空間把握は、三鷹市芸術劇場などで行われた「わが星」に代表されるべく
円形で彼方に拡がっていくような構造が多い。
「青山円形劇場的」とでも言うのだろうか?(W)
太陽系や宇宙と同じような空間把握をされている。
それを今回は敢えてこうした対面式にしたとおっしゃっていた。
それを効果的にするのは高さの把握が必要であるということで
舞台装置や照明に工夫が凝らされていた。
一番いいなと思ったのは映像の使い方。
R型のホリゾント形式なった後ろの壁に映し出される映像がスタイリッシュで格好いい!
後で、スタッフリストを見たら何とWOWの鹿野護さんはじめとした
WOWのスタッフが映像制作にかかわっていると聴き大いに納得。
狩野さんとは十数年前にWOWが東京に進出されたときに
いろんな仕事をお願いしていた。
そして、現在は東北の大学で教鞭を取られなが
ら並行して映像やCGなどの制作を行われている。
鹿野さんの仕事は気持ちがいい感覚というのが持ち味で
それが今も変わらずこうした作品で見られたことに感謝!
特にイーストから西へ旅行するシーンがあるのだが、
そこのプロジェクションマッピングはとてもよかった。
また冒頭で海の映像が投影されるのだが
高さ90センチくらいの和紙を左右いっぱいに広げて前後に俳優が持って
その紙を揺らすのだが、それが波の映像とともに動くので
本当に波が動いているような気持になる。
ストーリーは東子(とうこ)(森岡光)が生まれて西子(せいこ)(藤谷理子)に出会う。
西子は西へ引っ越してしまう。遠くにいて会えない!
その悲しみと想いの強さが描かれる。
柴さんの傑作「あゆみ」と「わが星」を足して分割したようでもある。
「生生流転」と「宇宙の輪廻」みたいなことが暗喩されてるのか?
そこをいいなと感じるかどうかがこの舞台の評価になるのかも知れない。
藤谷理子がいい!彼女の関西弁も!
上演時間75分。15日まで。