イデビアン・クルー初の東京芸術劇場公演!らしい。
そういえば、この劇場ではあまりダンス公演を行っていない。
イデビアンをわざわざ選んだのはこのグループのダンスは
とても演劇的だからなのか?
無声映画やパントマイムのような印象。
そして脱力系の笑いが随所に盛り込まれている。
この笑いが「妙な」状況や「間」の作り方、視線の送り方などにあるのだが、
深く刺さる人には面白くてしょうがないのではないだろうか?
セリフがないので海外でも公演をしやすいのでは?
外国の方はイデビアン・クルーのダンスを見てどう感じるのだろうか?
舞台は題名通りの「ジャンクション」?を模したもの。
交差点である。床には横断歩道と思われる模様が描かれ
舞台の左右には外灯と思われるものが床に刺さっている。
洒落た美術、衣装も洒落ている!まるでファッションショーのような。
そして、島猛さんの手掛けた音響が素晴らしい。
演出の井手茂太さんと島さんとの仕事はとても長く、
毎回、嶋さんのサウンドデザインには感心する。
効果音とリズム、音楽をたくみに組み合わせて作られた音に沿って
井手さんをはじめとするダンサーが奇妙な動きをする。
そのダンスが独特でオンリーワン!きれいなだけのダンスではない!
激しいだけのダンスではない!
そんな脱力した中での自然体のダンス!
「柔よく剛を制す」のダンスがここにある。
まるで、タモリクラブのようである。(W)
そう!肩に力がまったく入っていないのである。
なのに題名は「肩書!」。
この空間に永遠に浸っていたいと思わせてくれる!
リズムと音響の中に身を浸し目の前でその音に完璧にシンクロした動きをする
ダンサーたちが出たり入ったりする。
そういえば先日、韓国映画の「新感染」という
むちゃくちゃな邦題の映画を見たのだが!これが素晴らしかった。
今年のベスト10に入るのではないだろうか?
この映画には多数のゾンビ(と思われる感染者)が登場するのだが、
彼らの動きが独特で今も印象に残っている。
それを髣髴とさせる振り付けが行われている。
人間の普通の動きではないことを取り入れてダンスを行う!
しかもそのダンスがいい意味で脱力している。
肩に力が入らないところをわざと作り、人間の予想を超えた動きを取り入れる。
これがイデビアン・クルーの真骨頂ではないだろうか?
ダンス公演は絶対に劇場で体験するのがおススメです。
その体験は身体に刻まれ長く自分の中に残ることでしょう!
しかも笑えます!
上演時間約75分!20日~22日まで!