作・演出の藤田貴大さんがイタリア人俳優と日本人俳優たちと一緒に作り上げた舞台。
題名は「私の時間」(イタリア語)である。
一人一人にそれぞれの時間が流れていてそれぞれの記憶がある。
時間のテンポが速い人もいればゆっくりな人もいる。
そう、それぞれが違っていていいのだ!
みんな違うという前提で、あ、ここは似ているとか、ちょっと一緒のところがある
というめったにない「同質性」を発見することの喜びみたいなものが
この舞台で描かれる。
「違うところを責めるのではなく同じところを見つけて愛おしむ」
そんな意味のセリフがあって、とてもココロに沁みて来た。
イタリア人と日本人というまったく違う文化の人たちと交流して、
それでも同じ人間として共感すること出来ることが
いつか見つかる筈なのだ!その感覚がこの舞台にはよく出ている。
舞台になっているのはイタリアの田舎町のホテル。
そこにいろんな人が泊りに来て、ホテルのスタッフたちとの交流があり、
もちろんスタッフ同士の交流も!
いつものマームとジプシーのミニマルな小道具たち。
シンプルで素材感を活かした椅子やテーブル、食器などが登場する。
少し懐かしさを感じるそれがナチュラルな感じで気持ちいい。
ナチュラル&リラックス。
suzuki takayukiの手になる衣装もベージュや生成色をベースにしてあり
シンプルでやわらかな感じ。
今回、面白かったのが調理のシーン。
実際に調理されている様子が「テイストメイド」などをはじめとする
レシピ動画のように映像で背景の壁に投影されるところ。
料理の様子を真上から事前に撮影したものが流される。
これを見ると「ティラミス」ってこうやって作るんだな!みたいなことがわかる。
コーヒーが浸されていること、ココアパウダーが
かけられていることなどがわかった。
成田亜佑美が登場すると、ああ、マームとジプシーだ!とその発声も含めて納得する。
川崎ゆり子もですね。
ブランドはこうして積み重ねられて出来上がっていくのだろう。
お洒落な観客層もマームとジプシーのイメージを作っている。
「Olive」という雑誌を思い出す。
平日の14時の公演だと言うのに、さいたまの与野本町まで
こうして多くの人が集まるのを見て感心する。上演時間約75分。22日まで。
ちなみに、この日は、代休だったので本作を見る前に
大宮から一駅の「鉄道博物館」に行ってみた。
10周年ということで10歳以下のお子さんは無料となっていた。
この日は本当に大量の子どもたちがここにやって来ていた。
たぶん1000人はいたのではないだろうか?
お昼のお弁当を食べるスペースがなくなったらしく
館内にビニールシートが敷かれてお弁当をみんな食べていたのが可愛かった。
やはりお弁当の定番はおにぎりなんだな!