『ブックカバーチャレンジ』24( book cover challenge vol.24)
24冊目は森茉莉さんの「贅沢貧乏」(@講談社文芸文庫)
発行は1992年。表題になっている「贅沢貧乏」は昭和38年(1963年)に発刊されているらしい。
国語の教科書に取り上げられている文章を読むのが好きだった。
受験中は現代国語の問題で取り上げられている文章を読むのが好きだった。
授業や模擬テスト、あるいは実際の入学試験などで限られた時間の
中で読まなければならないので、ものすごく集中して読む。
しかも、そんな時に初めて読んだことをいつまでも覚えている。
試験問題の最後に大体、出典が書かれており、それを覚えているのかも知れない。
森茉莉さんの文章も初めて読んだのはそうした試験の問題だったと思う。
しかも「贅沢貧乏」。ものすごいタイトルやと当時は思ったのだろう。
贅沢なのに貧乏かい!と思わずツッコミをいれたくなりそうな。
森茉莉さんはあの森鴎外(森林太郎)の娘。
なので決して貧乏だったのではなかったのではと思うのだが
これらのエッセイは森茉莉さんが57歳から64歳に至るまでに書かれたものらしい。
そこで大切なのは「精神の贅沢」だということ。文化芸術に通じ
それを愛でながら生きていく暮らしを質素ながらしていきたいという
森茉莉さんの晩年の願いがこうしたエッセイとなったのだろう。
素敵なものが少しだけある暮らし。これって「こんまり」さんが
実践している本当に大切なものだけに囲まれる生活と通じるものが
あるのかなあ?コロナ禍の中でもう一度私たちの生活スタイルが問い直されている。
とはいえ、今、パラパラと読み返すとさすがに森家出身のお嬢様らしい。(笑)
品性が正しい生活とはこうしたことを言うのかもしれない。
読書文化普及のため