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「ユキコ」東葛スポーツ(@シアター1010/稽古場1)
【構成/演出】金山寿甲 【出演】佐々木幸子、菊池明明、川﨑麻里子、羽鳥名美子、山崎ルキノ
前作の「パチンコ(上)」がとてもいい作品だったので、かどうかは知らないが、 本作も早々に前売り完売だったと劇中で聞いた。 ただし、当日立見席などがあるらしく、多くの当日券を求める方がいらしていた。 初日観劇。17時開演。 この開演時間にしたのは出演者の俳優たちがみな子育て中で早めに帰らないと 保育園が閉まってしまう?みたいなことが理由だったのか? このように最近の東葛スポーツはセミドキュメント演劇とでも言えばいいのだろうか? 構成・演出の金山寿甲さんと彼の周辺の人々彼が活動する地域についてが 赤裸々に語られそれがそれぞれのストーリーを構成していく。 本作はパチンコの景品交換所が主な舞台。 舞台に入ると白い2メートル四方くらいの四角い箱が舞台の真ん中に置かれており、 景品交換所のように小さな扉が開いている。 顔を合わせずになんらかのやり取りをする場所。 交換所は景品と現金が好感される。 昔のラブホテルもそんな感じの窓があり、 そこで現金とルームキーを交換するみたいな感じだった。 ある種の欲望が出入りする小窓とでも言うのだろうか? 真ん中に四角い正方形上の舞台がありその真ん中に景品交換所が置かれ、 その手前には舞台に上がる花道みたいなものがしつらえられている。 どこから見ても印象はたぶんあまり変わらない。 ここからネタバレあります。 本作の題名である「ユキコ」とは、出演者の佐々木幸子さんのこと。 そしてそのユキコさんは金山さんの妻であることがわかる。 ユキコさんは昔、東葛スポーツの創成期に舞台に俳優として出演しており、 その後、たぶん育児などのことで出演されなくなったのだろう。 しかし、彼女の中の出演したい!という意欲が 本作の出演につながったようだ。 最初は岸田戯曲賞のことについて語られる。 というのも本年も東葛スポーツの「パチンコ(上)」が岸田戯曲賞の 候補に挙がっているからなのだが…。 調べると「第67回岸田國士戯曲賞の選考会が、 2023年3月17日・金曜日、午後5時より、東京神保町・學士會館にて行なわれます。」 とあった。ちなみに今年の候補作は、以下。 石原燃『彼女たちの断片』(『夢を見る 性をめぐる三つの物語』所収、アジュマブックス) 上田久美子『バイオーム』(上演台本) 加藤拓也『ドードーが落下する』(上演台本) 金山寿甲『パチンコ(上)』(上演台本) 兼島拓也『ライカムで待っとく』(「悲劇喜劇」2023年1月号掲載) 鎌田順也『かたとき』(上演台本) 中島梓織『薬をもらいにいく薬』(上演台本) 原田ゆう『文、分、異聞』(上演台本) 松村翔子『渇求』 金山さんは自らを相対化して客観的に現状を分析し正直な気持ちを赤裸々に語りながら、 同時に世間からどう見られているかを自覚した上で描いている。 このことが東葛スポーツの大きな特徴。 優れた作家や俳優も同じなのだろうが、立川談志師匠が語った名文句で 「高座で俺が演じているだろ!それをもう一人の俺が高座の上から見ているんだよ!」 というような意味の言葉に代弁されている。 こうして自覚した金山さんの気持ちをビートの効いたヒップホップのリズムに合わせ 俳優たちがラップで語るというスタイルも東葛スポーツならでは! なのだか、どうだかわからないが、東葛スポーツには 若くておしゃれな観客がたくさんやってくる。 と同時に私のような演劇ヲタクか 反権力的なものが好きな方々のような様子の方々がミックスされている。 まさに多様性の極みのような観客群と言えるのかもしれない。 ヒップホップはそもそも反権力で世の中を風刺的に言葉で語るというものから来ている。 なので、東葛スポーツがこの表現に至ったのも自然な流れだったのかも? (以下はかなりのネタバレになるかもですので本作をご覧になる方は 後日読まれた方がいいかも知れないです。) また「ユキコ」さんは現在も子育てしながら景品交換所で実際に 働いているということも語られる。 彼女が「自閉スペクトラム症(ASD)」であり、その特異な才能で超集中が出来、 お茶の水大学でフランス語を習得し、大学院にも行き、 様々な国家試験を受けるとすべて合格してしまう。 しかし、同時にコミュニケーションを取ることが苦手ということもあるらしい。 その「ユキコ」のことを良―くわかっている俳優たちだけが ここに出演している、というようなことが語られる。 その友情みたいなものにウルウルしてしまう。 「ユキコ」さんの台詞はよどみなくものすごい量の言葉を すごいスピードでまくしたてる。それを見るだけでも 本作を見る価値があるのではないでしょうか? かように、東葛スポーツの作品は主宰の金山さんと彼をめぐる人たちや 地域についてが赤裸々に語られ、その人たちが目の前に居て演じてくれている。 という稀有な劇団ユニットとでも言うのだろうか? その語り口がこの2年ほどで成熟して来ており、毎回人気公演となるのもわかる。 かく言う、私も早々にチケットを確保して、毎回「東葛スポーツ」の公演を 見ていることからもそれが証明されているのでは!? 上演時間80分強!2月20日まで。 http://tokatsusports.com/
by haruharuyama
| 2023-02-19 08:59
| 舞台
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