有楽町のビックカメラのビルの7階によみうりホールはある。
中に入ると豪勢な造りに驚く。そういえば、ここは以前
そごう百貨店だったことを思い出した。昭和の伝統的な劇場の
イメージがある。初めてだったが、以外に広い。
落語好きのKさんにチケットをとっていただいた。
今回の公演は「桂文枝」師匠を偲んでの会。
文枝師匠の落語を聞いたことがないが、桂一門の方々
そして、志の輔の話などを聞いていると、たいそう艶やかな
噺家さんだったようだ。京都と大阪で仕事や生活の大半を
していただろう文枝師匠の姿が浮かんでくるようだった。
桂つく枝の「動物園」手堅く笑える。上方言葉が新鮮やった。
林家正蔵の「ろくろ首」。正蔵、初めての演目らしく
四苦八苦しながらの上演。
立川志の輔の「猿後家」。話自体が突拍子もなく笑える。
「猿」にちなんだ言葉がご法度という設定がバカバカしい。
志の輔はまくらでつかんでスーッと本題に入っていく
そのいきなりな感じが粋で格好いい。
仲入りはさんで
「師匠の思い出」という座談会。
桂つく枝、坊枝、あやめ、文福の4名が師匠の思い出話を語る。
文福とあやめが師匠と一緒に行ったシアトル公演の話が感動的。
公演当日、米国人にどっかんどっかんと受け。大成功。
翌日、ヴォランティアで落語を聴きたがっているという話を聞き
日系人の老人ホームへ慰問に行くことになる。
名所観光よりも、落語をやることの方を選ぶことが
仕事の本質論と重なる。
文福は話は下手だが相撲甚句はうまかった。
最後に、文珍が「稽古屋」というのをやる。
尺台が座布団の前に置かれて上方風。
ときどき尺台を講談のようにペンペンと叩いて
きっかけに使ったりする。
演者は前に尺台があるので、上半身しか
見えない中で演じることになる。
稽古のシーンは実際に、三味線、鳴り物が入って
華やかである。文珍の噺は面白く、上方言葉の芳醇さを感じた
ゆるりゆるりと喋りながらオカシミを出していく演出に
自然と惹き込まれていく。
「大阪天満繁盛亭」にも行ってみたいものである。