土曜日16時過ぎ、北千住宿場町通りに入って
百メートルほど歩くと、最近新築されただろうビルの前に、
たむろしているおじさんたちが居る。
平均年齢60歳くらいだろうか?
ここで待っている限り、僕もまだまだ若手である。
43歳の新人です。
16時半前になると、たくさんの人だかりが出来てくる。
整然と並んでいるというより、
アトランダムに入り口の周りを取り囲んでいる感じ。
後ろの方で話し声がする。
「おっ、居酒屋研究会!」まだ30代前半の女性に、
60過ぎのおじさんが声をかけていた。
おじさんは講談社の元編集者のようで
奥様と二人で来ていた。
居酒屋研究会の女性も雑誌のライターか何かのようで、
おじさんに、連れの女性たち数名を紹介していた。
その中の一人は井上ひさしの主宰している
劇団「こまつ座」で発行している
「THE・座」の編集をしている女性であった。
こまつ座の舞台は外れがない、ありがたいことだ。
4時半丁度に暖簾が出ると、
始発駅の電車に乗り込むサラリーマンのように
整然と半開きの白木の格子戸に吸い込まれ、
いつのまにか座席が埋まってしまう。
4時45分には、待っている人が現れた。
まずお通しが出てくる。マグロの醤油で煮たもの。
飲み物は、瓶ビール(キリンクラシックラガー)と
焼酎ボトルセット。焼酎の4合くらいのボトルと、
ガラスのとっくり状のものに入った梅シロップ、
氷と炭酸水が出てくる。
このセット、何と1260円!
白木のカウンターの向こうには
鉄の大鍋から湯気が立ち込めている。
中にはすじ肉と豆腐。これが「大はし」名物の煮込みなのかと感動する。
煮込みを注文「煮込み」「煮込み肉だけ」「煮込み豆腐ダブル」を注文。
追っかけ「コハダ酢」がやってくる。
酢の締め方が強く、いかにも居酒屋の「コハダ酢」。
山利喜の「コハダ酢」も同じような感じである。しかし、「大はし」の方が安い!
さらに「カニクリームコロッケ」
きちんと小麦粉から作ったホワイトソースが懐かしい。
さらにさらに、ワカサギの南蛮漬け、おしんこ、
氷頭なます、アラ煮などなどを頼み、
焼酎のボトルを3人で丁度飲みきったところで2時間少々。
会計は一人三千円となりました。
夏なら、まだ薄っすらと明るい頃だろう。