独特の質感を持ったロシア映画を見た。
妻が突然借りてきたのだ。
妻が見るDVDや読む本の基準が僕と全く違うので面白い。
僕が、Kさんの結婚パーティから帰ってきて一緒に見始める。
同僚だったKさんはとっても素敵な家族に囲まれている。
そのことがわかっただけでもいいパーティだった。
Kさんのような人が育つ環境は
この父母から生まれて来ているんだからなあと納得。
彼女は今度の金曜日にNYへ旅立っていく。
この映画も家族の物語である。
12年間消息が不明だった父親が突然帰ってくる。
そこには祖母と妻と二人の息子が住んでいる。
男親とは?ということを考えさせられる。
男の子には男親がいた方がいい、と良く言われるが、
そのことについての考察を深めるような映画である。
父は二人の息子たちを連れて旅に出る。
父親は息子たちにきちんと自分の足で立って
人に向き合いながら生きていく方法を教えようとする。
12年間いなくて突然男としての生き方を
教えるということに軋轢が起きる。
短時間でそのようなことを
息子たちに教えようとすること自体が
極端なことなのだ。
車で移動しながら野山でキャンプして火を起して調理し、食べ、
敵が来たら闘う。そのようなエピソードが随所に現れる。
そして、父親と息子たちの間に大きな事件が起きる。
父親は息子たちに何を伝えられたのか?
何もコミュニケーションがなく12年過ごすのと、
濃密な数日間を過ごすのとどちらがいいのかなんて一言ではいえない。
でもそのようなことを考えさせられる映画となった。
独特のブルーの色味がこの映画にある種の清潔感を与えている。