広告代理店・クリエイティブエージェンシーに所属する
12人のホンネと仕事のやり方。という副題がついている。
いままで広告会社関係の営業職にスポットを当てたものでは、
藤岡和賀男という電通マンがいたが、
彼の著作集くらいだったのではないだろうか?
ここでいうアカウント職とは、大きな意味での広告に於ける
プロジェクトリーダーであり総合的なプロデューサーでもあると思う。
そうして何とかやっていこうとしている、
いろんな会社のアカウントの方々の仕事を垣間見る事ができる
貴重なものである。
以前仕事をしたことがある方もいて、それも興味を惹いた。
面白い言葉がそれぞれのプロフェッショナルな方から出てくる。
例えば、「本質を見抜くチカラを持て」こういったことは
全ての営業職にもいえるのかも知れない。
特に企業とクリエーターの間に入ってプロジェクトを推進していく役割を持つ職種である。
そのプロジェクトリーダーであり総合プロデューサーは
「ぶれない」ことが必要だと多くの方がコメントされていたのが印象に残った。
カナメがぶれると大きく進むべき方向がずれてしまう。
また、同じ意味で御用聞き的な営業の限界についても多くの方が語っていらした。
クライアントの意向を一方的に聞いてくるというだけでなく、
お互い問題を共有しながら対話を通じて問題解決をしていこうとする
パートナーであるべきだということは多くの営業マンが語っていたことである。
コミュニケーションの基本のことなのかもしれないが、
そういった基本的なコミュニケーションがきちんとできる環境を作ることこそが
営業マンの根底に必要だという言葉にはおおいに共感した。
あと、クライアントに「いい嘘はついてもいい」が「騙すな」
という言葉も面白かった。
「嘘も方便」で本当に相手のことになるという思想は
おこがましいようにも思えたが、
今まで自分の中にそのような発想がまったくなかったので
この考え方は新鮮だった。
また、キャラを売り物にするということも大事ではあるが、
いつまでもキャラを売りながら営業していくことの限界を
語られていることも興味を惹いた。
人間はある時点である立場になったときに
キャラで売っていくことから方向転換しなければならないということを
語っていらしたのが印象的だった。
シンガタの松田さんの、「知らないことを知っていくことの喜びが今でもある。」ということ。
ワイデン&ケネディの松永さんの、
「W&Kのクリエイティブと働くことで『ブランドを伝えるためには、
ときに目の前のコスト効率を超えた提案が必要である』ことを学んだのです。」
同じ松永さんの「営業は今、自分が起業家精神を持っている事が
一番必要とされていると感じます。」という言葉も印象的だった。