もともと、渋谷駅南口にあった「ユーロスペース」が移転し、
同じ場所に改装を経て、「シアターN」という映画館が出来た。
このような単館系のアートシアターが渋谷には林立している。
以前だと、なかなか見られない映画が観られるようになった。
有難いことだ。
ルワンダという国はいったい、どこにあるのだろうか?
調べてみると、アフリカの真ん中よりも少し東。
ケニア、タンザニア湖の西に位置する小さい国だった。
僕は、アフリカや中米などは、
どの国がどこにあるのかがあまりわからない。
「ルワンダ」という国がアフリカにあることさえも
うろ覚えだった。
そこで1994年に大虐殺が起きた。
フツ族の民兵たちが、ツチ族を虐殺する。
100万人が殺されたという。
「NHKスペシャル」で一度だけ、特集が組まれていた。
そこでは、フツ族がツチ族を虐殺する際に
ラジオ放送が虐殺をあおりたてた事実を描いていた。
映画の中でも何度か、「フツ族」の普通の人々が
ラジオから聞こえる
アジテーションを聞いているシーンが登場する。
その、番組を見て思ったのは、
誰がツチ族で誰がフツ族か全くわからないところである。
映画でも「お前はツチ族か?」と民兵に問われるシーンがある。
「はい、そうです。」と言う人は多くはないだろう。
そうすると彼らは名前を聞く。
名前で民族の違いが少しだけわかるみたいだ。
映画は、ホテルの現地支配人補佐みたいな役回りをしている
フツ族の男性を中心とした物語として描かれている。
彼の妻は「ツチ族」である。
彼は当然、家族を守りたい。
その単純な動機から始まった彼の行動が、
ホテルをツチ族の難民避難場所として、
フツ族の民兵から守ろうとする話である。
彼がだんだん個人のためから
公共のためへという態度に変貌していく。
しかも、静かな闘いである。
まるで、ナチスの捜索から逃れる、
第二次世界大戦中のユダヤ人たちのように。
主人公の彼も、ヒーローなんかではない。
とにかく生きるために、何とかその場を取り繕う。
その、連続である。
最も、印象的だったのは、国連平和維持軍が、
この暴動を制止しに来ていたのだが、
何ら機能を果たせず、上層部の撤退命令があると、
即時撤退をする。
現状はそのまま、ほったらかしにされている。
まるで、人が見ていないところに大量のゴミを放置するように。
国連平和維持軍の兵士たちが、
「これは国内の問題だ!我々は仲裁はしない!
君たちでなんとかしなさい。」と言って帰国してしまうのだ。
現在、イラク駐在のアメリカ軍の場合はどうなんだろう?
イラクにもし、石油などの天然資源がなかったら、
いったいどうするんだろう?
大量虐殺された何万人もの死体が、
ビクトリア湖に投げ捨てられる。
死体は湖の肉食魚に食べられる。
その魚が輸出され、食卓で僕たちが食べている。
「ダーウィンの悪夢」というドキュメンタリー映画で
そのことが描かれているらしい。
見たい!
と思ったら。3月5日(日曜日)
22時10分~24時までNHK-BS1で放送されるそうだ。
やった!