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ドイツには9月上旬から10月初旬までビールの醸造所が大きなテントを張って、 その年の春に仕込んだビールをそこでみんなで飲んで大騒ぎするというイベントがあるらしい。 それをオクトーバーフェストというそうである。 「10月のお祭り」そのまんまやん!とも思うのだが、そういう名前らしい。 もともとの起こりについて引用する。 祭りの由来は、1810年10月、バイエルン皇太子ルートヴィッヒと ザクセン・ヒルトブルクハウゼンの王女テレーゼの成婚を祝って、 現在のミュンヘン中央駅西側にある緑地で開催された競馬だったといわれています。 ということは、来年は、オクトーバーフェスト200周年である! ドイツ人は何百年も、ビールを飲み続けていたのだろうか? とその頃に思いを馳せる。 200年前といったら江戸時代ではないか? 篤姫が結婚するはるか前の出来事。 このイベントは戦時中のみ開催されなかったと書かれていた。 戦争をやる意味はいったいどこにあるのだろうか? このイベントに毎年来られているKさん夫妻に誘っていただいて行くことができた。 初心者は気おくれしてなかなかいけない。 大体、どのようなシステムでどのように楽しむのかということがわからない。 当日はあいにくの雨だった。 仕事を終えて日比谷公園に着いたのが7時40分。 Kさんは6時過ぎにはここに来て場所取りをしていてくれた。ありがとうございました。 テントの外のテーブルで傘をさしながらビールを飲んでいる人たちがいて驚く。 テントの中は喧噪の渦の中だった。 テントの端っこでドイツの楽団?が音楽を演奏している。 まるで昔のビールのコマーシャルにあったような風景。 映像でみた、ミュンヘンの風景が重なる。 そしてまさに、この場所にドイツの人たちがたくさん居るので、デジャブのような気分。 キャッシュ・オン・デリバリー・システムが基本。 ブースでビールやつまみを買い、テーブルに持って来て食べるというもの。 以前、代々木公園でタイフードフェスティバルというのに行ったが、 同じようなシステムだった。 まず飲んだのが、シュパーテン・ミュンヘナーヘル。 下面発酵ビール(ラガービール)を発明した醸造所として知られている シュパーテン醸造所の元祖ラガービール。だそう。(1000円) 隣のブースで大きなソーセージ4本が入った盛り合わせを注文、 ザワークラウトとマスタードが載せられている。(2000円) 楽団は音楽を奏で、みながそれに合わせて歌い!(ドイツ語!) 最後には「電車ごっこ」と言うらしいが、みんなが列になって会場中を練り歩くというもの。 まるで、ジェンカのような。 歌の最後に「ポースト!」と言ってみんなで乾杯をする。 周りの人も一緒にジョッキを鳴り合わす。 ここに来ている人達を見て思った。 あるクラスの人たちが集っている場所なんだな!と。 会社帰りの人たちがメインなのでスーツ姿が大半である。 上品なスーツを着こなし、破たんすることなく飲んでいる。 これが高架下の焼鳥屋さんで酔いつぶれている人々とは まったく別の人種のような気がした。 同じ、サラリーマンだろうに、ここに来る人たちの統制のとれた 品の良さはどこから来るのだろうと思った。 丸の内にも近いここは、大手の会社の人たちが集まってくるのだろうか? 同じ場所で今年のお正月、年越し派遣村が開催されている。 同じ場所で、このようなイベントが開かれているということが興味深い。 二杯目のビールはテントの中に注文を取りに来てくれたものを頼む。 ミュンヘナー・ヴァイスビールというもの。(1500円) 1612年バイエルン王国時代に200年間、王室が独占的に醸造を行い 400年近くたった今も美味しさ人気ともミュンヘン№1のヴァイスビール。 だそうである。 日本のビールと違って全体的に柔らかな優しい印象を受けた。 ドイツやチェコなどに行った人から、 そこで飲むビールは本当においしいと聞いたことがあるが、 その言葉の一端を感じられたかも。 日本のビールは全体的にシャープな印象。 高温多湿な気候風土には合っているのかも知れないなとも思い、 その違いが面白かった。 この日は、雨がひどく、いつもより早く店じまいするというアナウンスが流れる。 21時過ぎに解散! だらだらとせず、そのまま静かに帰宅する。 その姿を見ていて、やっぱり、あるクラスの人々が多く集まるイベントだなと思った。 節度を持って楽しむこと。 彼らは翌日8時過ぎには会社に出てバリバリと働いているのだろう。 #
by haruharuyama
| 2009-05-29 06:00
| 料理
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Comments(7)
土田英生の戯曲。土田は奇妙な設定から生まれてくる、 奇妙な社会をコミカルに描くのが本当に上手である。 今年の土田はものすごい勢いで作品を書きあげ、 様々な場所で土田戯曲が上演されている。 そのレベルがすべて高いので驚いている。 そういう時期は確かにある。 今回のこの舞台を見て、 三谷幸喜の若かりし頃の良質なコメディを見ている時と同じような気持ちになった。 演出は青年座の須藤黄英。1976年生まれだから。今年、33歳になる若手。 青年座本公演は初演出だそうである。 「へそ島」という島にある製菓会社のお客様電話相談室のオフィスが今回の舞台である。 まるでリゾートのペンションのようなところ、手前にデッキが大きく張り出しており、 そこから海が見える。 ここのコールセンターの職員は休憩のたびにここのデッキに出てきては海を見ながら談笑をする。 コールセンターにはそんなにたくさんの電話がかかってくるわけでもなく、 のーんびりとした時間が流れている。 室長の男性と副室長の女性そして長野工場から異動になった帰国子女の女性。 彼らは本社から来た社員である。 そして現地採用の社員がいる。 東京にあこがれて東京に行ったことがない女性社員。 そして熟年の仕事熱心な地元主婦、永田さん。 元漁師だった男、彼は電話応対ではなく事務を任されている。 そんな6人だけの、コールセンターに ある日、本社から二人の社員が派遣されてくる。 営業バリバリでやっていた稲本、彼が新しい室長に就任する。 そして前の室長は副室長になる。 組織が大きく変わると環境や人間関係も変わっていく。 それを土田はコミカルに描く。 そこから起きてくる独特のねじれとか、ゆがみといったものを 土田は上手に抽出するのである。 新室長と一緒にやってきた入社二年目の女子社員、後藤。 がんばりやさんの彼女は新室長と不倫関係にある。 この閉じられた狭い世界に、ある日変化が起きる。 なぜ、新しい室長が送り込まれたのか? ある日、それが明らかになる。 この製菓会社で作っていた爆発的にヒットしている新商品に ある種の有害物質が混入していたという。 最近メディアで本当によく取り上げられるような事件が起きる。 鳴りやまないコールセンターの電話。 本社でもコールセンターの対応時間を長くしてくれという要請があり、 現場はこれ以上は無理ですという。 その間に入って新室長は右往左往する。 このような状況から様々な本質的なことが語られる。 会社とは人生とはそして正直に生きるとは嘘をつかないこととは。 何が正しくて何が正しくないのか? 正義とは何なのか? 人間としての正義と会社員としての正義はどちらが大切か? というようなことを、極端な状況から突き付けられる。 それがシリアスでなく笑いを持って伝えられる。 仕事熱心な主婦の永田さんが言う。 残業をするのは構わないが、正直に有害物質が混入していたと言いたいです。と。 嘘をつくことがつらいです。正直にお話しできないのがつらいです。と。 会社の方針として「今は調査中なので何とも言えません」 というのが会社側の正しい回答例とされる。 そのように言ってくれと本社の意向を伝えなければならない新室長。 なんちゃって帰国子女(2歳までバンクーバーに居たらしい。)だった藤原さんが、 ある事件をきっかけに変わろうとする。 嘘ばかり語っていた自分が、本 当のことを語ること、ありのままの自分を語ること、 取り繕わないメッキではない自分をきちんと出して向き合うように変わること。 そうすることによって藤原さん自身が解放されることが初めてわかった。 そうして本当のことを語ることで本当に大切なものが見えてくる。 すべての人に、 特に、社会人に見てもらいたいと思う舞台。 31日まで。 #
by haruharuyama
| 2009-05-28 06:11
| 舞台
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流れ去るものはやがてなつかしき。と副題にある。清水邦夫作。 シス・カンパニーは毎年、このあたりの季節になると シアタートラムで一ヶ月間以上のロングラン公演を行う。 客席が少ない劇場で有名な俳優(タレント)さんが出るので、 毎年満員のプレミアムチケットとなる。 草薙剛が出ていたときもさぞや凄かったに違いない。 今回は、Yさんという平田オリザにどこか雰囲気の似た方に チケットを取っていただき。行くことが出来た。 先行予約で電話が通じたのだろう。ありがたいことです。 Yさんと妻と、三軒茶屋の「来来来」というお店でちゃんぽんを食べてから劇場へ。 ここのちゃんぽんはラーメン王とも呼ばれる石神秀行も絶賛の店。 ただし、冷房が利かないのでそこんところは注意。 キャベツなどの野菜がてんこ盛りになっている、 いったいどれくらいの野菜を炒めるとこの量になるのだろうというくらい、 どんぶりに野菜が山盛りで運ばれてくる。850円。 舞台はまさに楽屋である。 階下に舞台があるという構造の楽屋、いったいいつの時代なのか? とにかく年代物の劇場であり年代物の楽屋ということはわかる。 文学座のアトリエかパリのオペラ座か? オープニングでラテン語なのだろうか?何か詩のようなもの?が朗読される。 舞台左右にプロンプターでその日本語訳が流される。 副題にあるような意味の言葉が書いてある。 鴨長明の「方丈記」のようである。 舞台上手にメイクする机と椅子が二脚。 上手に小泉今日子、その左に、渡辺えりが並んで座り舞台が始まる前のメイクをしている。 彼女たちは暗めの衣装を着ており、暫くするとこの二人は女優霊なのだなということがわかる。 転落して顔を傷つけた姿の渡辺と首に痛々しい血のにじんだ包帯を巻いている小泉。 舞台下手に新し目のメイク机がある。その奥に白いソファ。 今、現役でチェーホフのかもめを演じている女優(村岡希美)が台詞の稽古をしている。 その稽古を黙ってメイクをしながら聴いている渡辺と小泉、 彼女たちは現世に悔恨を残して旅立っていったのだろう。 沈黙の中から現在の女優に対する嫉妬心が感じられる。 これはシアタートラムという狭い劇場だったから感じられたことなのかも知れない。 小泉と渡辺の顔の大きさがまるで二倍近い差があるように見えて その身体の対比を見るだけでも面白い。 生瀬の演出は、ところどころギャグ的なるものをはさんで時々客席から笑いが起きている。 渡辺えりも小泉もその笑いに参加する。 小泉が恥ずかしそうに言うところから笑いが色気に転じる。 不思議なものである。 これもあの小屋の小ささから生まれてくるものなのだろう。 そういう意味ではシスカンパニーの毎年のトラムでの 試みは意義のあるものなのだなと思った。 親密な小屋で大物キャストが演じることで感じられることが何かある。 それは演劇以外のものなのかもしれないが、 それもまた劇場体験であると思う。 若いプロンプター(舞台の影で俳優のセリフを聞きながら、フォローしていく人と認識)が やってくる。蒼井優である。 白いワンピースに身を包んで胸には枕を抱き、頭には大きなリボン?髪留め? のようなものをしている。すくっと立つ姿がいい。 ああ、旬の俳優なんだなと見ていて思う。 人生の中で何年かあるだろうその時代の女優がまさにそこに居る。 蒼井は村岡にもう、こんなに身をする減らすような女優業は辞めて、 私に役をくれと言う。 その言い方はやわらかく、そのことが逆に村岡の気持ちに火をつけることになる。 その後、ある事件が起きる。 蒼井優はいったい? あちらの世界にやってきた蒼井は小泉と渡辺とチェーホフを演じようとする。 プロンプターをしていた女優になりたかった三人はあの世で、 暗唱するほどの「三人姉妹」をやろうとする。 蒼井優のワンピースの仕掛け糸を小泉が解いてあげると、白いワンピースが、 ロングドレスになり三人ともチェーホフの三人姉妹に変身する。 蒼井優が長いドレスを着て、すーっとつま先立ちをする。 美しい。 このシーンを見るためにこの舞台を見る価値があるのかも?と思った。 素敵なシーンだった。 何気ない仕草が、強い身体性を感じさせる。 蒼井はクラシックバレエをやっていたと聞く。 その身体が垣間見える。 岩井俊二の映画「花とアリス」でオーディションの場面があるのだが 蒼井優が女子高生の制服姿で足に紙コップを差しガムテープで巻き付け トウシューズのようにしてバレエを踊るシーンがあった。 あの素晴らしいシーンと比肩するくらいの印象があった。 短い数秒のシーンにそんなチカラがあることを実感させてくれた楽屋だった。 #
by haruharuyama
| 2009-05-27 06:30
| 舞台
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京都に住む、劇作家、土田英生が円に書き下ろしたもの。 金田明夫が舞台の始まる前のあいさつで20年ぶりに書き下ろしをやりますとおっしゃっていて驚いた。 円所属の演出家、内藤裕子が土田さんに是非にとお願いして実現できたもの。 たまたま、同時期に青年座にも土田英生が書き下ろしており、 両方の公演を見ると2本目は500円割引が適用されるという 洒落た仕組みが出来ている。 さだまさしの歌う490円よりもさらに10円お得である。 金田明夫と磯西真喜が夫婦。娘と息子がいる。 ある休日。 長女は婚約をしており、弟は仕事もせずひきこもってフィギュアの収集をしたり コスプレの女の子の撮影をしたりしている。 金田は会社の部長で、妻は専業主婦である。 長女の婚約を機に、この家をリフォームした。 長女が結婚する一ヶ月前あたりの休日の話。 家族の物語である。 土田の描く物語はどこか漂漂としていて、奇妙なおかしみに満ちている。 なにがどう面白いのかというのを語るのが難しいのだが、 変な状況設定で関係がずれていき その状況下で引き起こされる日常的で些細なこととのギャップが笑いを誘う。 土田の戯曲の魅力はそのようなところにあるのではないか?と思う。 (以下、ネタばれあります。) 長女が昼食の席でいきなり、私と弟は施設からもらわれてきた養子であることを告げる。 姉妹はそのことを随分と前から知っており、素直に受け入れ両親に感謝する。 それはそれで、良かったのだが、 金田と磯西の夫婦はいままで結婚してから一度もセックスをしたことがないの? ということを娘から告げられ、二人は動揺する。 そのことは事実だったようで、二人は断定をさける。 セックスレスで50代まで来た! どうしてセックスしなかったの? 二人がそんなことになっていないんだったら、私は結婚しない!とまで言い切った。 その時、弟は食べていた筑前煮の蓮根を床に落としてしまう。 どうしても蓮根が見つからない。 両親にちゃんとセックスをするよう説得する長女と、 そのリビングで床に這いつくばって「蓮根が見当たらない」と言って探している弟。 このような対比の妙を描くのが土田英生である。 MONOを主宰して京都発信で面白い舞台を作り続けていた土田は 数年前、文化庁の海外派遣制度を利用して、英国に留学した。 その間、MONOの活動は休止状態になっていた。 土田が帰国してから徐々に活動を再開し、 最近になってエンジンがまた全開状態で創作が行われているような気がしている。 そうして1年間の留学とは、その後の数年の時間があって結実していくものなのだなと思った。 その数年は決して長くはないが、無駄になるものではない、と思うようになった。 野田秀樹しかり。 今度、英国から文化庁派遣制度を終えて戻ってくる 長塚圭史もどのような活動を始めるのか興味深く見守っていきたい。 もとい。金田と磯西のセックスレス夫婦は、50代半ばになり、 夫婦の努力が実り成功する。 40代も半ばになると、そちらの方面の活力がなくなってくることを実感している僕は、 これは偉業だ、大変なことであると思った。 いくつになっても挑戦する、ということは尊いことである。 長女役の細越みちこがいい! 唇の薄さが彼女の魅力である。 暖かな気持ちになれる舞台だった。 1時間40分。 #
by haruharuyama
| 2009-05-24 10:51
| 舞台
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無条件で、幸せな気持ちになれる、人に対して優しい気持ちになれる。 そんな、コンサートだった! 一杯の感謝の気持ちで、NHKホールを出た。 周囲の人すべてにありがとうと言いたい気持だった。 今を生きていることに、素直に感謝する気持ちになれた。 そんな感動を57歳になる、長崎県出身の「さだまさし」というオジサンは与えてくれた。 NHKホールは収容人数が3400人と聴いて、そのキャパの多さに驚いた。 客席から、さだまさしが登場してくる。 「この時期、マスクもせず無謀な行為に出ました。」と言って受けを取る。 彼の話芸に惹きこまれる。 アカペラの美しいハーモニーが聞こえてくる。 意外に若いのか、歳をとっているのか、わからない男性6人組。 「チキン・ガーリック・ステーキ」という美味しそうなグループの登場。 アカペラで何曲か聞かせてくれる。 そして、さださんの妹、佐田玲子の登場。 彼女の作るメロディは僕の青春時代のフォークの魂を感じて嬉しくなる。 この「まさしんぐ」というタイトルの付いた催しは、 単に「さだまさし」のコンサートではないのだ!ということがよくわかった。 「まさしんぐ」ではお芝居や ミュージカル(何と「RATS」という「CATS」に対抗したふざけた題名などを上演したことがあるらしい!) の上演、さらには漫談など、様々な趣向をこらしたものが挿入されるイベントなんだと 途中から気がついた。 本日は、この後、落語をするという 。幕が一度降り、休憩後、高座が出来上がっていた。 赤い毛氈の上に「ま」と書かれた大きな座布団がひとつ。 着物姿のさだまさしが登場する。 さださんは以前から落語をたくさんやっており、 前日のここでの高座のゲスト柳家一琴は、 さだまさしの落語を聞いて噺家になろうと思ったそうである。 一琴は大阪の茨木市に育ったのに、何故か、 江戸前の柳家小三治師匠の門を叩いたというのも、 さだまさしとの縁があるからだろうか?と思った。 今日、ここに来て、初めて落語をやってくれるということを聴いて喜んだ! そして、この日のゲストは何と、立川談春! もはや、さだまさしと並んで、いやそれ以上にチケットが取れなくなった 立川談春の高座が見られるなんてと驚いた。 マイクを通じたさださんの語りはあきらかに落語である。 今回、思ったのはさださんの作る曲には、 落語家としてのさださんが出ているんだなと思った。 それは人情噺であったり、滑稽話であったりするのだが 人間を描くというところではブレがない。 それはさださんが、小説などを書くことも同じことなんだろう。 さだまさしは、「人間とは。生きるとは。」 ということを、手法を変えて言い続けているのである。 まさにこの行為こそが芸術の発露である。 さださんの落語は、いつもやっているステージトークがもとになっていると、 さださんの長年のファンであるNさんに伺った。 「お父さんとポチ」という話。 家に帰ってきても、お母さんも娘も出かけており。 お父さんはポチを話し相手に人生の滋味を語っていく。 上手いなあと思う。 話芸を磨くことはコミュニケーションのプロになることの一つの姿だなと思った。 続いて立川談春登場。 さださんとのエピソードなどを語られた。今回は、フェスティバルホールより大きい 3400席の前でやる談春の落語。 これは歌舞伎座を上回る収容人数ではないだろうか? 古典落語の三人旅もの「おしくら」。 こんな広い場所でも聴かせる聴かせる。 自然と見ている人の集中力が高まりその世界に連れて行くというのが 噺家の腕の見せ所なんだろう。 さださんと談春とは真打ちになるずいぶん前からの、つきあいだそう。 それがこうして、結実するというのもさださんの人柄あってのものだろう。 さださんには家族とか仲間意識とかいうものを強く感じる。 その意識が彼の楽曲に実際にあらわれている。 高座の後、映画「ぼくとママのい黄色い自転車」の予告編が流れ、 ソフトバンクのCMが流される。 ここからがさだまさしのコンサートの始まりである。 ソフトバンクのCMに出て、各地の知人から電話がかかってくる。 青葉台などでロケをしていると女子高校生などが可愛い! といいながら奇妙なしゃべり方で集まってくる、 などと様々な世間的な波及効果が生まれていることを伺う。 そのCMへの出演と音楽の創作秘話がここで語られる。 やはり、このシリーズは時間がなく急いでやらなければならないというところが 面白さに輪をかける。 絵コンテには490円になったということと、そのあとにしわがどうのこうの!(?) というような事が書かれてあったそうである。 それを見て、490円というのがとても気になったさださんが レコーディング最中に思わず作ってしまっていたのがあの曲。 それはCMのスタッフがさださんのところに出演と楽曲依頼の相談に行った時には もう出来ていたという、面白い話である。 ギター弾き語りで全曲を歌ってくれた。 感動した。 馬鹿馬鹿しい歌詞の奥に込められた深い意味、 無常感とでも言うべきものと滑稽さが人生とシンクロすることで 人は深い感動に包まれるのだと思った。 ホワイト家族(白戸家)も家族を描いている。 その家族団欒の中で突如現れるさださんの歌。 そして、「私は犬になりたい、雑種でもいい!」 というような不条理なカフカのような歌詞がさらに面白さを加速する。 その暴力的にやってきて人を驚かし、記憶に定着させる! それこそがTVの力であり、 TVCMのチカラであるなと思った。 「私は犬になりたい 490円」というのがこの曲の正式名称である。 このシングルCDはもちろん490円です。 この日はこれで終わらない、 これでもかの4時間弱のイベントは続く。 「親父の一番長い日」を歌う。12分半の曲。 このアンサーソングのような曲が今度の新アルバムに入ることになった。 それは「ママの一番長い日~美しい朝~」というもの。 これは、親父の一番長い日で歌われた娘が、ママになった。 そのママの娘がさらに結婚するときのお話。 こうして命は受け継がれ、家族の絆は続いていく。 まるで壮大な長編小説を12分半で見せられているような気になる。 アンコールの曲もよかった! 「いのちの理由」というもの。アコースティックギターの弾き語りで聴かせてくれる。 6月にフジテレビで「親父の一番長い日」のドラマが放映されるそう。 主演は長澤まさみ。楽しみである。 #
by haruharuyama
| 2009-05-23 06:39
| 舞台
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