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宮沢りえと松たか子の共演。そして野田秀樹作・演出。 その他にも橋爪功、大倉孝二、北村有起哉、小松和重、 田中哲司、佐藤江梨子、コンドルズという そうそうたるメンバーが出演している。 簡単にチケットが取れる筈もなく、2回応募したのだが2回とも外れてしまった。 縁がないときはすっぱり諦める方なのだが、そんなときに限って、 行きませんかとお声がかかるのである。 Oさんありがとうございました。 そうして、NODA・MAPを今年も見ることが出来るのだった。 近未来というか、はるか未来の御伽噺のような物語。 神話的な世界が繰り広げられる。 その神話が現代へとつながり、この舞台自体が 痛烈な文明批評につながっていく。 新作に込められた思いは何だったのだろうか? 地球が亡びる前に地球を捨てて、火星に移住してきた人間たちの歴史が語られる。 鎖骨に埋め込まれたオハジキにその人の記憶が記録されている。 松たか子が言う。未来なんてないのに歴史を知ってどうなるの? と同時にこんなことも語る。 未来がないのに子供を作ってどうするの? また、 絶望の奥には希望があり希望の向こうには絶望があると。 松たか子は現実に絶望している。 舞台上方には、現在の、幸福の指数が表示される。 火星の惑星の幸福指数。 地球人(人類)が火星にやってきたときの幸福指数を777とする。 最大幸福の8888に向けて人類は走り出すのか? 時々、911とか2009などの意味を感じる数字が出てきたりする。 数値に幸福を置き換えられるのか?という批評性がここにある。 幸福は単一な志向に置き換えられるものではないし、 ましてや数値化できるものでもない。 人類がなんとか生きてきてコミュニケーションするところに幸福の芽が生えてくる、 それがいつか花を咲かせるだろう。 しかし、そのときは誰もそんなことはわからない。 ファンタジーに込められた批評性は読み解くのが難しい。 ここで野田秀樹は、結果、抽象的な概念を語ることになる。 一緒に見に行ったYさんがまるでチェーホフみたいだなと 言われた言葉が印象に残った。 ある種の終末観からくる諦観がここに現れているのだろう。 それは今の時代を良く表したものでもあるのだろう。 ロシア帝国主義の崩壊以上にわけのわからない時代。 数値に置き換えられた幸福という強迫観念が我々を支配する! 悩めるストレートな松たか子と現実を知ったが上に逞しく生きていこうとする 宮沢りえとの対比が面白い。 パイパー役はコンドルズの面々だったのか、 彼らの身体から繰り出される身体感覚がこの舞台にハナを添える。 見ていて単純に面白いのである。 彼ら、パイパーの存在によって、現実社会を少し引いた場所で見る事が出来る。 彼らの奇妙な動きと行動が人間の行動の可笑しさを逆に強調する。 パイパーとは宗教心であり神であるのだなと思った。 また、今回の舞台で特筆すべきなのは たくさんのアンサンブルの人たちであった。 彼らがたくさんうねった舞台の向こうから出てくる。 たくさんの彼らが一斉に舞台の上で倒れる。 その美しさと強さの底には 自分自身も生物学的に言えば人間という霊長類のちっぽけな一つにしか 過ぎないんだと感じる何かが見えてくる。 それを、国家は人間を交換可能なものとして捉え、 個人は人間をかけがえなのない一つのものとして捉える。 エンターテイメントではない野田秀樹の 新たな到達点を見せてもらったような気がした。
by haruharuyama
| 2009-01-12 09:25
| 舞台
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Comments(2)
Commented
by
M
at 2009-01-14 01:06
x
のどにつかえていたものが溶けたような
評論でした。 ありがとう!
0
Commented
by
haruharuyama at 2009-01-14 08:20
Mさん。コメントありがとうございます。未成熟なものを書いてしまい、すいません。もっと、もっと語ることはあるのでしょうが、戯曲などを読んで考えてみます。
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