吾妻橋ダンスクロッシングプレゼンツと題された公演は
ボクデスの集大成とも言えるベストライブ。
と言っても僕はボクデスのパフォーマンスを見るのはこれが初めてなのだが。
パフォーマーである小浜正寛のことは以前から知っていた。
すらっとした立ち姿のいい、どこか困ったような風貌が眼鏡の奥で光っている。
NHKの大河ドラマで公家さんの役をやったそう。納得。
六本木のスーパーデラックスは飲食関係が充実しており
ここで何かを食べたり飲んだりしながら見るというスタイル。
もともとクラブのような場所なんだろう。
コンテンポラリーダンスを中心にプロデュースしている
プリコグ関係の公演はここで行われることが多い。
伝説的な、珍しいキノコ舞踊団の公演がここで行われた。
生意気の舞台美術とともに記憶に残るものだったと聞いている。
東京エールというオリジナルの生ビールを飲みながら開演を待つ、
久しぶりに演出のYさんとプロデューサーのNさんにお会いする。
ボクデスのパフォーマンスは小浜さんが一人で何でもかんでもやるというもの。
それを助けているのが映像である。
映像とうまくリンクさせてインタラクティブなパフォーマンスにしたり、
映像で別の小浜さんが出演したりしている。
クレイメーションの小浜さんには驚いた。
舞台はカレーの一気食いから始まる。「踊るコハマジャ」というタイトルが付けられている。
映像と小浜さんの動きやパフォーマンスがシンクロするものは
実際の微妙なずれが魅力なのかもしれない。
生で見ているとその危うさにドキドキして懸命に見てしまうという魅力がある。
逆にカメラを通して舞台の中のものをモニターに見せながら
演じるパフォーマンスがあったが、それは今回のような場所では効果的でない。
また小浜氏の指や手を使ったパフォーマンスがいい。
音楽とシンクロして変化していくのが気持ちいい。
スピード感が僕たちを陶酔の世界に誘う。
一番好きだったのが「ラーメン」というもの。
これは映像的でアニメ的で実に格好いい。
変な、おかしさとへたうまさが凝縮された舞台だった。
1980年代のラジカルガジベリンバシステム的な乗りが見えてくるようだった。
サブカル的なものがここに?