トーキョー・リングの二日目。
先月見たドイツ演劇、「カールマルクス・資本論・第一巻」で、
登場人物に質問するコーナーがあった。
そこで、「『ニーベルンゲンの指輪』を通しで見たり聞いたりしたことがありますか?」
という問いがなされた。
すると、9人の登場人物のうち、2、3人の人がYESと答えたのが印象に残っている。
ドイツでは教養としてなのか一般的なのか、
このような大作を見る人が多くいるのだなと驚いた覚えがある。
合計すると十数時間のものになるオペラ。
リヒャルト・ワーグナーのモノづくりの情熱に驚く。
と同時によくそんなに長い曲が書けるなあというのが本音である。
今回もキース・ウォーナーの演出は斬新。
「ワルキューレ」は大きく三幕からなる。60分、90分、70分。
ここで流される「ワルキューレの騎行」は名作であり、
ほとんどの人が知っている有名な曲。
フランシス・フォード・コッポラが「地獄の黙示録」で
ベトナムの海岸を空爆するシーンは有名である。
壮大な中に、現代的なものを持ち込んだのがキース・ウォーナー。
「ワルキューレの騎行」の演奏で始まる第三幕は、何と病院のセットである。
入院患者や看護師と思えるような人々がパースの大きくつけられた巨大な病院のセットの中を
車輪のついたベッドを押しながら右へ、左へ動きまわる。
戦争をするとは負傷者や病人が増えるということの暗喩なのか?
白い空間の中の赤色が美しい。
衣装も「ラインの黄金」と同じく現代的なもの。
現代美術的な要素がたくさんある。
セットのスケールに驚く。
最後のシーンでは大きな木馬が出てくるのだが騎馬を模したもののモチーフとして
ばかでかい木馬が使用されている。
この第三幕は「ワルキューレ」の見せ場ですというMさんの言葉におおいに納得した。
今回の舞台は当日券のD席を狙って購入。
見切れるところがあるが舞台上方に席があるので
音楽を聴いていて全身が包まれるように気持ち良かった。
Oさんも言っていたので間違いないだろう。