弘前劇場主宰の長谷川孝治原作の名作である。
初めて見たのが、青山円形劇場で、だった。
客席は60%くらいしか入っておらず、最前列で舞台を見た。
弘前に住んで働きながら劇団員をしている俳優たちの演技のリアリティに、
いやただそこに居るという存在感が舞台を魅力あるものにした。
とっても印象に残る舞台だったように記憶している。
再演は池袋のシアターグリーンで見た。
それも同じく弘前劇場の公演だった。
津軽弁がバンバンと語られ最初は何を話しているのかわからない場面もあった。
しかし、そこに居合わせて見ていると、
ある地方都市の斎場で実際に起こったことを見ているような気分になる。
今回は、その脚本をもとに、ウォーキングスタッフの和田憲明が演出をする。
出る俳優は東京でプロの俳優としてやっている方々が多数出ている。
16人の群像劇。
東京から数時間のある地方都市の斎場が舞台となっている。
具体的な地名は語られない。
映画「おくりびと」でも斎場が出てくる。
斎場の職員を演じた笹野高史が良かった。
銭湯のおばさんが死んだときのシーンは忘れられない。
「おくりびと」は山形が舞台となっていた。
東北地方にはある種の清潔感みたいなものを感じる。
凛とした寒さから来るものだろうか?
今回の舞台を見ていると、どうしても弘前劇場の舞台との比較で見てしまう自分がいる。
このことについて、「
江森盛夫の演劇袋」で江森さんが的確に書いておられたので
それを参照していただければと思う。
僕も同じようなことを感じたことは確かである。
東京のプロの俳優とプロの演出家が向き合うことの意味を感じる舞台となった。
地方の感覚と季節とともに生きるという感覚が希薄な気がした。
そして、地方都市の人たちにしては喋りすぎているような元気がよすぎるような、
まるで東京の俳優のような、実はそうなのだが、という気になってくる。
それは、それで、可笑しいコメディの要素が浮かび上がってくるのだが、
そのテイストが好きか嫌いかは分かれるのかも知れない。
いいなあと思った俳優が何人か居た。
青山勝、酒向芳など。