「出来心」「三年目」「妾馬」
国立演芸場。三席とも三三。
この日は館内の冷房が利かなくなったということで
三三はマクラでこの話をする。確かに蒸し暑い。
演芸場の職員が扉を開け放ってくれて、ときどき、
さあああっと涼しい自然の風が通過するのが気持ちいい。
皇居を前にし、周囲はオフィスビルなどもなく、
そういった環境が涼しさを生んでいるのだろうか?
三三の独特の登場の仕方がいい。
まるでドリフのヒゲダンスのような感じでお囃しとともに登場してくる。
一度、三三の噺を聞いたことがある人は得心なさるだろう。
まずは「出来心」。
どろぼうが貧乏長屋に入り込み、
そこで店子が大家にどろぼうが入って
あれも盗られたこれも盗られた、
もちろん数ケ月分の店料も盗られた、
と言って、そこに潜んでいたどろぼうが逆切れするという寸法のお話。
三三は若いのに堂々とした風格で、落語をやる。
その、すーっとした姿が気持ちいい。
それは発声や間合いすべての要素から醸し出されるものなのだろう。
その感じが三三らしいと言うのだろうか?
続いて、「三年目」。
病気の女房が死んで、三年目にやっと化けて出てくるという話。
生きている俗世間の常識と、お化けのあの世の世界がつながって
独特な話の世界を作る。これも落語の構造のひとつであろう。
仲入り。
この日は冷房が利かないというのでレンタルの団扇が用意されていた。
洒落た団扇が用意されているところはさすが国立演芸場。
そして「妾馬」。
以前、立川流の誰かがこれをやったのを聞いたことがある。
その時は、兄と妹の交流が強く出た人情ものになっていた。
今回のこれは、前半の、長屋で「おつるさん」をお殿様のところに召抱えるというところの
長屋の連中とのやりとりが長めに追加され、
そこの会話が三三の創作の入ったオリジナルであると
三浦一派の方々から終演後伺った。
上方の他の話が付け加えられたとか?
とにかく、そこでの長屋の連中の会話が面白い。
まくしたてるような調子で語る三三の様子がいい。
三三はこの噺を人情話というより、滑稽話にしたような、
そんな気がした。