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とてつもない作家である。西川美和のことである。 こんなかわいらしい女性のどこに、 ここまで映画というものについてきちんと描くことが出来るものがあるのだろうか? こうして何年かに一度、凄い天才が出てくるものだと驚く。 と、ともに生きているとこうした経験が出来るという 単純だが素敵な事実に気づかされる。 芸術とは、そのような感覚を強く喚起するものなのかもしれないと思う。 先日、トップランナーに西川が出ており、 彼女の中に内包する強さと映画に対する強い思いを感じた。 オリジナル脚本を書いてそれを監督する。 トップランナーでこの映画の撮影シーンが映し出されていたが、 そこで見る西川はまさに現場の人だった。 田舎町の無医村だったところに、数年前診療所が出来た。 そこの診療所で起こるさまざまな事柄が中心となる。 茨城県の田舎の街。 山の中の典型的な田園風景があり、村の真中には川が流れている。 村落はやはり河川などを中心として発展し、 そこに道路が出来るのだなと納得。 診療所にある研修医がやってくるところから、ドラマは始まる。 開業医の息子である瑛太が運転する赤いBMWのコンバーチブル。 診療所で働いているのは医師である笑福亭鶴瓶と 看護士である、余貴美子。 余は最近とみに素晴らしい名バイプレーヤーとなった。 先日、アカデミー外国語映画賞を獲得した「おくりびと」でも 素敵な葬儀屋の事務員を演じていた。 瑛太は最初、田舎の診療所なのであまりやることもなく 楽が出来るのではないかと思い、この地域にやってくる。 ところが医師である、鶴瓶は、予防医療なのか、何なのか? 診療に来ない村人の家に押しかけてヴォランティアで検査をし、 病気の早期発見の努力を続ける、 こんなんところに民家があるのかというところまでとことんと奥地へ入ってく。 鶴瓶の医療は、昔の赤ひげ先生のよう。 高度先進医療は街の病院に任せ、彼の主に考えるのは、 病人となってしまった、また病気と一生付き合っていかなければならない村民の、 クオリティ・オブ・ライフ。 彼らの生活や彼らの家族そして彼らの共同体がどのようになるのが 一番いいのかを考えることなのだなと思う。 この考え方、そして予防医療という考え方に、今後の高齢者社会の中での 地域医療、過疎地の医療の問題の方法が提示されているように思えてくる。 その主題を貫くものとして医師である鶴瓶と、 娘たちが都会に出てしまって田畑を耕しながら細々と一人暮らしをしている老母、 八千草薫との物語が描かれる。 八千草薫の家に診察に押しかける鶴瓶。 胃の具合が悪いだろう事が触診でわかる。 八千草は鶴瓶の診療所を訪ねる。 娘には知らせないでくれという。 その娘=井川遥、は、東京で循環器系の医師をしている。 父親を彼女はガンで亡くしている。 早期発見できないでいた過ちを、母親には繰り返したくないと思っている。 八千草の家族に迷惑をかけたくないという思いと、それによりそう鶴瓶の思い、 そして井川の思いが交錯する。 時折、別のエピソードとしていくつかの医療に関する出来事が挿入される。 人が医師と向き合うとき 医師は何をすべきか何をしてあげられるか? それは患者や家族によって回答が違うのだなという気持ちをもった。 そんな、中、鶴瓶が失踪する。 何が原因だったのか? それを調べる男たちのシーンと 診療所で働いていたころの鶴瓶のシーンがシンクロし、リンクしていく。 そうして、僕たちは様々な生きるということと 医療とは医師とはということを突き付けられて映画を観終わることになる。 この映画はそういう意味では映画館で完結しないもの。 映画を観終わってから様々な問題を考え、 それについてどうすればいいのかを残してくれる。 答えは自らの中から探していかなけらばならない。 映画館を出てあー面白かったと言って、駅につくころにはすっかり忘れてしまえる 映画があってもいいというような事を言ったのは三谷幸喜だった。 本映画はその三谷さんのお話の対極にある。 しかしながら、三谷さん自身も、本当にそう思ってあの発言をしたのか? 証拠に三谷作品自体には、駅まで行ったら忘れてしまったというような 映画は皆無だからなのである。 テレビドラマ「振り返れば奴がいる」 で描かれた医療の問題と通底する問題がここに確かにある!
by haruharuyama
| 2009-08-14 16:50
| 映画
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