ナチズムの時代の話。1943年。
ドイツ軍がスターリングラードの闘いで
ロシア軍に勝てない時期と重なる。
「白バラ」という当時の反体制グループがあり、
ヒトラーのやり方に対して反対し、
ビラを配ったりしていた。
ミュンヘン大学で、彼らはビラを大量に学校内に配る。
そのときに、ビラを配って捕まった
女子学生「ゾフィー・ショル」が処刑されるまでの話。
彼女は、毅然とした態度で死に臨んだのではない。
ゲシュタポの尋問官モーアに対して、
最初は、私は、学校に居て、
たまたま積まれているビラの束に体があたり
大量のビラが通路に舞ったと語った。
しかし、尋問官は、いろいろな事実を持ち出し、
彼女を問い詰める。
どこで彼女の気持ちが変わったのかが、
映像を追っているだけでは共感できないところもあった。
しかし、彼女は観念したのか自分の思う正しいことを、
それから後、貫き通すことになる。
面白いのはゲシュタポの尋問官が迷う様だ。
尋問官も人間。ゾフィーは20歳そこそこの娘。
実際、何が正しいのかなんてわからない。
当時のドイツだったから、
尋問官や裁判官たちは、正しいものとされ、
ゾフィーを初めとする、「白バラ」の仲間たちは
正しくないものとされているだけにすぎない。
裁判のシーンで、ゾフィーは裁判官たちにこう言う。
「この戦争が終わって裁かれるのは、あなたたちだ。」
ゾフィーの仲間で裁判にかけられた一人が
最後の行動に出る。
「私は子どもも、妻もいる。私はやっていない。
私の信念は『白バラ』にはない!」
結局、裁判では全員「死刑」。
これが現実だと、知る。
そして、その日刑務所に護送された三人は
数時間後処刑される。
三人が処刑される前に、
吹き抜けになった刑務所の一角で
煙草を一緒に吸うシーンが印象的だった

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