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副題は「なぜ彼らはすぐにその犯人とその家族を赦したのか」とある。 アーミッシュの子供たち数名が非アーミッシュの男に殺された。 彼は突然、アーミッシュの小学校に押し入って、女の子たちを教室に監禁し、 そのうち数名の少女たちを射殺し、警官の突撃時に 自らに銃を放ち死んだ。 米国、ペンシルバニア州ストラスバーグでの話。 そこのニッケル・マインズという地域でこの事件は起こった。 アーミッシュとは、映画「刑事・ジョンブック・目撃者」(フランティック)の 舞台になったところがアーミッシュの村の話だった。 ハリソンフォード若き頃の傑作。 撮影監督たちは、一様にあの映画の映像の美しさについて語る。 「アナバプテスト(再洗礼派)」と呼ばれる、 イエスの教えを忠実に守るプロテスタントの一派である。 ドイツ語を喋り、電機やITなどの便利な生活を簡単には受け入れようとしない。 彼らの移動手段の主役はいまでも馬車である。 独特な衣装と木工工芸品はシンプルで品が良く。 アーミッシュの家具は日本でも人気がある。 その彼らは、この事件で大変な被害者となった。 しかしながら、その彼らが、事件の翌日には 犯人の遺族のところに行き、彼らと犯人のことを赦します! と告げに行ったそうである。 そして、たくさんのアーミッシュの人たちが犯人の家族へお悔やみを述べ、 犯人の葬式にも参列し、実際の行動によって 彼らと積極的にかかわり、犯人とその家族のことを赦すことを 実行し続けたことが報道されたそうである。 その報道は全米の非アーミッシュの人々を震撼させた。 なぜ、彼らはそんなに簡単に加害者のことを赦すことができるのだろうか? 時はブッシュ政権。 9・11以降テロリストとは、徹底的に戦うという名のもとに イラクへ進攻し結局、大量破壊兵器は見つからない。 そんな時代に、起きた事件は実際どうだったのか? なぜ、アーミッシュである彼らは赦すことができるのか? そもそも赦すことによってどのようなことが起きてくるのか? というようなことを細かく検証し、その実際に迫っていったドキュメント考察本である。 朝日新聞の2008年を回顧する書評欄に 「私の三冊」ということで、香山リカが取り上げていたように記憶している。 港区の図書館の在庫を調べてネットで予約した。 注文した本が会社の近くの図書館に届くと 携帯メールが届く仕組みになっており便利。 本書は購入すると2575円。 借りた本なのでいままでのようにページを折ったりは出来ないが そこはポストイットで乗り切る。 読んでいると、彼らの行動は基本的には聖書、 それも新約聖書の基づいたところからその行動が規定されていることがわかる。 イエスの「右の頬を打たれたら左の頬を差し出しなさい」は有名な言葉であるが、 まさにそのようなことを彼らは生活の中で実践している。 彼らも高校時代あたりに自由な生活を経験したりして、 アーミッシュの世界にとどまるのかどうかという葛藤があるのだが、 そこを乗り越えるとアーミッシュとしてきちんと定着して生きていくそうである。 それは幼児からの教育や環境も含めてのことだろう。 さらに興味深いのはアーミッシュでも 赦しがなかなか実現できないでいる事実なども記述されている。 その典型的な例が身近な人たちに対するもの。 それはアーミッシュ内部に起こるものであり、 その恨みを起因させるような行為が続いていると、 アーミッシュも、なかなか、無意識的加害者を赦すことが出来ないと書かれてあった。 聖人君子みたいな人間はいない。 その葛藤の中で人は苦しみ生きている。 そこをなんとかかんとかやり過ごし乗り越えていく。 その処方の中にアーミッシュの赦しという行為がある。 読んでいて深く納得したのは、被害者や恨みをもっているものが 相手を赦すことによって自分も解放され赦された気分になる、ということ。 そして、赦せるようになることが人間として また自らに対して平穏な世界を獲得できるのだということがわかった。 最後に本書からワンセンテンスだけ引用する。 「赦しとは、赦して忘れることではなく、 むしろ、赦したことがいかに癒しをもたらしたかを記憶にとどめておくことなのだ。」 青木玲の翻訳がいい。
by haruharuyama
| 2009-10-16 07:13
| 読書
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