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赤堀雅秋、渾身の作品。傑作が誕生した。 困難を伴うものは傑作になる。などと良く言われる。 様々な葛藤とともに生まれてきた作品は、後世に残るものになる、と。 今回のこの公演、初日から四日目まで公演が中止された。 理由は俳優が新型インフルエンザに感染したから。 今後、冬に向けてこのようなことが他の舞台や仕事場でも起きることが予想される。 そのときに、どのようにしてその難局を切り抜けていくのかが 問われることになるのだろう。 制作の方は本当に大変だったろう。 しかし、その大変さを上回るだけの結果が舞台に現れていた。 雨の日の土曜日。 劇場に入ろうとするとスタッフの方々はみなマスクを着用していた。 受付にはアルコールの消毒液があり、マスクを自由に持って行って下さいと、 マスクの入った箱が置かれていた。 ここまで厳戒なインフルエンザ対策をしていた公演は初めて。 今回の舞台は、今までのTHE SHAMPOO HATとはテイストの違うものだった。 テンション高く、彼らの世界観を描く。 いままでは、陰々鬱々とした孤独を描いていたのが、 今回はそれをある種の型にはめ込んでコミカルな舞台に仕上げていった。 そのスピード感とテンポがいままでにないTHE SHAMPOO HATを作り上げていった。 作家の赤堀さんが、俳優としてこんなに面白く魅力的だったのかと改めて思った。 彼の今回の役はまさにはまり役。 彼以外にはこの役は出来ないかもしれない。 身体能力や見た目の身体も含めてのはまり役。 舞台は、パチンコ屋さんの開店を待って並んでいるところから始まる。 一番前に児玉貴志、その次に多門勝、最後に赤堀が並ぶ。 赤堀のどうしようもない41歳が面白悲しく描かれる。 彼は、道路警備員の仕事をしている。 大きなスポーツバッグに制服を詰めて警備の場所へ行く。 そうして彼は、その暮らしのまま、41歳を迎える。 世間では沼袋の通り魔の話がワイドショーを騒がせている。 沼袋で9人目になるおばあさんが後ろから切りつけられたと報道されていた。 赤堀の自宅で、誕生日会が行われる。 夜から警備の仕事に行く前なのでジュースで乾杯。 初めて祝ってもらうお誕生日に、独特の悲しさと可笑しさがないまぜになった感覚が渦巻く。 赤堀は10年間コツコツと溜めた500円玉貯金を自慢する。 2.5リットルの合成焼酎のペットボトルにほぼ一杯になった500円玉。 仕事から帰ってくると、その500円玉がなくなっている。 そこから彼ら三人組の捜索が始まる。 赤堀は移動感や動きを表す手段として、歌舞伎的な形式を採用した。 津軽三味線のリズムに合わせて小気味よく彼らは走り移動する。 まるで「決闘、高田馬場!」? 黒子が出てきて小道具を設置し、彼らの着替えを手伝う。 そのテンポがいい。 いつも怒り口調の赤堀と、とぼけた児玉、間に入って調整役の多門の関係が面白い。 まるで、初期のジム・ジャームッシュの映画のようである。 この舞台はそのとぼけた味の中に狂気を潜ませる。 淡々とした狂気とでもいうのだろうか? 日比大介演じるところの狂気の表現もいい。 いつもイライラしていて現状に満足していない 近視眼的な男を上手く演じている。 この男を見ていると、いきあたりばったりで犯罪や殺人事件が起こるのだな ということがリアリティをもって伝わってくる。 それだけに、日比の演技は、何気ない狂気が感じられとても怖い。 いつ、どこで何が起こるのかわからない恐怖がここで描かれる。 今回のシャンプーハットは、その狂気と、そこから醸し出されるユーモアが 絶妙の按配でブレンドされていた。 赤堀雅秋は、この舞台で新たなステージに確実に登っていった。
by haruharuyama
| 2009-10-28 07:13
| 舞台
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