ずいぶんのお花が芸術文化センターのロビーに飾られていた。
キャストを見て納得。ほっしゃん、西山繭子、そして根岸季衣。
豪華なキャストを配した「ゴールデンアワー」の再演である。
初演は8年前だったそう。
三鷹の駅で降りて南口から数分歩いた閑静な場所にラーメン屋「文蔵」はある。
雪の舞い散るような寒い日だった。
文蔵の前は数人しか並んでいる人がいなかった。
数分待って入る。
三鷹のラーメン店を検索すると、まず一番にこの「文蔵」の名前が出てくる。
ラーメン中盛を注文する。700円。
店内には自家製麺機と日清製粉の小麦粉の大きな袋、
そして大きなダンボールに入ったサバ節が置かれていた。
ここでは全てのものを手作りしているのだろうか?
夫婦二人で切り盛りしており、営業時間が11時過ぎから15時くらいまで
というのもわかるような気がする。二人で作るのはこれがいっぱいいっぱいなのだろう。
中野の名店「青葉」の系統と言える。
ただ、青葉よりもスープにコクがあり魚粉の香りも強い。
自家製麺のちゅるちゅるっとした食感がいい。
最近食べたラーメンの中でも秀逸の一品だった。
この芝居の舞台はラーメン店である。
大きなラーメン店で自宅と兼用になっているのだろう。
そのラーメン店の二階は八畳間が二間続いている。
そこをぶち抜きラーメン店の座敷として使用している。
ここに集まってくる店員さんとラーメン店の家族と常連さんとの
なにげない会話からドラマが積み上げられていく。
ラーメン店主の章二(恩田隆一)は
小さい頃両親の離婚で兄と別れ別れになった。
その兄が何十年ぶりかに帰って来る。
兄はほっしゃんが演じる。
兄の彼女なのか?ほっしゃんは西山繭子を連れて東京見物に来たのだ。
小学生のころ別れて片親とともに関西へ行ったほっしゃんは
完璧な関西弁となっており、二人の兄弟が一緒にいなかった長い時間を感じさせる。
ほっしゃんの演技の間が長い。
あえて狙っていたのだろうか?
「あんた間が長いわ!」という言葉が実際のセリフで出てくる。
小さな様々な人の思いと人間関係が交錯する。
ニューハーフ役のアルバイト店員も魅力的だった(高山のえみ)。
西山繭子の関西弁が気になった。
関西弁以外の芝居が上手いのになあ!と思いながら見ていた。
関西人は関西弁にどうしてもシビアになってしまうのは仕方がない。