松元ヒロの視線にいつも感激する。
弱者に対する優しい視線、自由を求め、
全てのものやことや人々が共通であるというところがベースにあり、
それがまったく揺るがない。
それが松元ヒロの素敵なところでもあり、頑固なところでもある。
ある種の信念に基づいた想いを彼は持ち続けている。
だから同じエピソードを語っても、松元ヒロらしさが必ず出る。
それに共感出来る人たちは松元ヒロのファンになり
ライブに通い続けるのだろう。
松元ヒロを初めて見たのは立川談志の独演会だった。
そこで社会風刺ネタをやる松元は
「ザ・ニュース・ペーパー・カンパニー」出身らしく
政治家のパロディをやる芸人さんだと思っていた。
後になってそれは彼の芸のほんの一部だったことを知る。
松元ヒロの生きて来た歴史と様々な出会いや体験から語られるその漫談?は、
人の気持ちの深層に入り込み、ココロをわしづかみにする魅力がある。
組合運動や共産主義的な思想をもったパフォーマンス
というようなイメージがあるかも知れないが、
まったくそんなことはなく、
リベラルでまっとうな考えをもってそれを普通に発言しているに過ぎない。
しかしながら、松元はテレビに出ない。
出身母体の「ザ・ニュース・ペーパー・カンパニー」は
いまやテレビでよく見るコント集団となった。
しかし、松元ヒロはそうならない。
多分、自分でその道を選択しているんだろう。
松元は観客との生の交流をやり続けることこそが
本人の生きがいだと感じているところが根底にあるんじゃないか。
実際のことは本人にしかわからないことなのだが、
彼のパフォーマンスを見るたびにそんなことを感じる。
当日券で見る。前売り料金と同じなのはありがたい。
山中秀樹さんがいらしていた。
志の輔さんからはお花が届いていた。
トークの中で触れられたが、必殺仕訳人の
蓮紡(れんほう)のお母さんも見にいらっしゃるそうである。
アンケートの名前欄に、「蓮紡の母」と書いてあったそうである。
登場してまずは、鳩山さんの物真似。
しかし松元ヒロと鳩山さんは見た目が大きく違う。
鳩の動きを取り入れたら絶対にバカバカしく
松元ヒロらしくなるのにと思いながら見ていた。
あるいは目を付けるか?
大きな目玉がメガネのようになっていればそれもいいかなと思った。
鳩山さんの目はほとんど微動だにせず見ひらかれているのが面白い。
続いて、痛風から病気ネタへ、そこで健常者が視覚障碍者と一緒に対話する、
「ダイアローグ・イン・ザ・ダーク」の体験談を聞く。
真っ暗な闇の中で、松元さんたちと視覚障碍の方々が
一緒に対話するワークショップを経験されたらしい。
その時、彼らの立場が逆転する。
視覚障碍者にとっては闇の中は日常なのだ。
そして、彼らと手を取り合い、ともに暗闇の中を動くことによって
人と人がきちんとつながっているのだということを実感すると
語られていた。
また「いのちの山河」という映画の話も印象的だった。
岩手県の山奥の寒村の村長さんが
日本で初めて乳児とお年寄りの医療費を無料にして、
日本で初めて乳児死亡ゼロという記録を作ったそうである。
その村長さんと村人たちの物語。
医療費の法律に違反していると
村長さんは県や国から呼び出しを受ける、
しかし、その村長さんは言う。
確かに法律に違反しているかもしれません、でも日本国憲法には違反していません。
国民が健やかに生まれ育ち老いるために
行政が手を差し伸べることは、憲法にも書いてあると
村長さんが語るシーンには本当に、ググッと来た。