青山三丁目にあるワタリウム美術館。
4月1日の夜20時少し前には多くの若者たちでワタリウム前がごったがえしていた。
この日一日限りのイベントが行われる。
ワタリウムの館長?である和多利浩一さんが惚れこんで開催した、
「
ジョン・ルーリー展」の一環としてのイベント。
行こう行こうと思っていたら前日になり、申し込もうと思ったら、
受付終了の文字がHPに!ガーン!
ワタリウム美術館に電話したら、係の方にダメ元で
20時少し前にいけばということで行ってみる。
強風の中、予約された方々が全員入館するのを待つ。
当日券を求めていたのは僕を含めて4名だった。
椅子席などはなく、展示スペースで立ってみたり地べたに座ってみたりする
鑑賞スタイルなので入ることが出来た。
展覧会を見ることが出来るとともにパフォーマンスを見ることが出来、2500円。
エレベーターで二階に上がるといきなりエレベーター前にひもが張ってあって
それを乗り越えて入場する。
中はジョン・ルーリーのドローイングが壁に展示されており注意深く進んでいく。
2階と3階にスペースがあり、観客はどこにいてもいい。
その中で、音楽家である、大友良英がギターを弾き、
ホーメイ歌手である山川冬樹が身体を使ったパフォーマンスをし、
ホーメイの声ともつかぬ声を出す。
そして現代美術家であり演出家である飴屋法水が
そこで、様々なオブジェを配置し、ひもをぐるぐると巻いて伸ばす。
さらに4階から鉢植えをひもにつけておろしてくる。
最初、水滴が数粒落ちた後、天井からなにかが降りて来るのに驚いた。
2階の広いスペースには横倒しになった手作り感漂うテーブルが置かれており、
そのテーブルにはひもが巻かれている。
床には音の出る楽器やおもちゃのようなものが無造作に並べられている。
飴屋さんは、その辺にある小道具を使って
パフォーマンスともなんともつかない行為を行う。
そしてテーブルの横では飴屋さんのお子さんと思われる、女の子が寝ている。
彼女は完全に熟睡しており、パフォーマンスの間中起き上がることはなかった。
面白かったのはギターのノイズと山川さんの声そして
山川さんが椅子から飛び降りるドーンドーンという振動音の中、
紙袋を頭からかぶった飴屋さんが会場の中を歩き回るというもの。
紙袋をかぶった飴屋さんがピタッと、とまって
ジョン・ルーリーの画のタイトルを声に出していくのが面白かった。
見つめられていた女の子がどうすればいいのかわからずに
とまどっているのが可愛かった。
90分近くが経過するとやることがなくなったと飴屋さんがマイク片手に話しはじめる。
爆笑が起こる。
芸術とはそもそも遊びであり自由でありなんでもいいのだという軽やかな気分が充満する。
そしてそれを楽しむ観客たちとの一体感が共有出来ることがこうしたイベントのいいところだろう。
和多利さんも参加する。
紙袋を被った和多利さん。
ジョン・ルーリーについて少し語ってくれる。
そして、パフォーマンスは突然、終わります!という合図とともに終わる。
みんな、笑いながら
会場でジョン・ルーリーのドローイングを見る。
今回の展覧会のタイトルにもなっている
「You Are Here」というドローイングがいい。
意外と画が小さいのに驚く。
その左右に展示されていたものも含めての三点が印象に残った。
右の画のタイトルは
This Painting Stands For Goodnessだった。
ジョン・ルーリーは同時に、80年代に熱狂とともに見られた映画
「ストレンジャー・ザン・パラダイス」や「ダウン・バイ・ロー」の俳優でもあった。