マリーシュイナールはカナダ・モントリオールを
ベースにしているアーティスト。1990年にカンパニーを設立。
今回の公演はJADE国際ダンスフェスティバルの中の
ひとつのプログラムだった。
JADEとは以下のような趣旨で設立された。
「これまでアジアにおいて定期的かつ大規模なダンスフェスティバルは
存在していませんでした。そこで実行委員長若松美黄のもと、
ダンスプロデューサー8人がJADE実行委員会を設立し、
2002年よりJADEインターナショナルダンスフェスティバルを
開催しています。」ということで今年5回目。
僕はダンスを見始めたのは、この数年前くらいから。
このダンスフェスティバルの公演は初めて見た。
公演はいたってシンプル。二部構成。
まず「牧神の午後への前奏曲」。
牧神と思われる奇妙な格好をした、ダンサー1名が踊り出す。
牧神の太ももの片方は大きくふくらみこぶのようになっている。
足や肩から、ハリネズミのハリのようなものがたくさん出ている。
ドビッシーの曲に合わせて、奇妙ではあるが素早い動きが繰り返される。
ところどころ性交を暗示するシーンが出てくる。
暗転後角が外されペニスの象徴となる。
生への賛同か何かわからないが、
とにかく性的な表現が多用されていた。
第二部「春の祭典」は複数のダンサーが登場する。
舞台上には角状のものが多数配置されている。
ダンサーたちは各々違う動きを繰り返す。
足を前後に大きく開いて歩いたりするのだが、
その動きが超人的で、それが目の前で行なわれているのに驚く。
優雅とは程遠い、奇妙な強い動きの連続である。
そしてこのダンスもセクシュアルな印象のシーンが出てくる。
ストラヴィンスキーの美しい音色と
「生きている!」という感じが伝わるダンスの融合。
これこそが「春」なのだろうか?
ついに、桜も開花を初めた。