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アラン・グリーンスパンが日経新聞に 「私の履歴書」を書いていたときは、リーマンショックが起こる前だった。 新自由主義的な経営者たちはグリーンスパンをこぞって称賛し、 彼の功績をたたえた。 そのグリーンスパンが後年、米国議会に呼ばれて、 私のしてきたことは適切でなかったかもしれない。と言った。 6月に言ってた私の発言は、いまはもう通用しない。とも。 本作品は極めて知的なアプローチで作られたドキュメンタリー演劇である。 作者のデビッド・ヘアーは英国人劇作家。 彼は英国ナショナルシアターに金融危機をテーマにした舞台を依頼される。 彼は、これまでも同様のドキュメンタリー演劇を作っている。 「パーマネントウェイ」は鉄道事故を検証したもの。 「謀殺・下山事件」と重なる。 そして「スタッフ・ハプンズ」は政治家と国家間の外交の問題についてを考えさせられた。 そこで、9・11からイラク侵攻へと至るプロセスが描かれた。 今回は、2008年以降に起きた危機的な金融市場の崩壊をテーマにして書かれている。 戯曲は、劇作家のデビッド・ヘアーが金融関係の専門家にお話を聞くというスタイル。 まずは、劇作家に金融について説明するために 英国ナショナルシアターに雇われた助手(フィナンシャルタイムズ社に採用予定)から 金融全般の話を聞く。 どうして、金融の世界が膨張していったのかがわかりやすく語られる。 昨年、NHKで「マネー資本主義」というスペシャル番組があったが、 そこで語られたことが、この2時間余りの舞台に凝縮されている。 その迫力たるや凄まじい。 観客は頭をクルクルと回転させながら、金融の世界の不思議さと異常さを感じることとなる。 デビッド・ヘアーが取材を通じて感じ考えたことなのだろう。 様々な登場人物が証言するように舞台上に現れて来る。 そして、このマネーゲームに関与していた英国人は ロンドン大学、フィナンシャルタイムズ、そして、ゴールドマン&サックス のどれかにかかわっている人が全てである。と言い切る。 ある意味、上位格差社会とでも言えるだろうか? 投資銀行の人々は、簡単に年収50万ポンドをもらっていると言う。 そして、僕の収入はこんなものではないと言い切る。 そんなことを言うのは実際にものをゼロから作っていない人たち。 彼らは、大きな資本をリスクを小口に分けて証券化し、多くの人に分担させたにすぎない。 それなのに、彼らは自らが稼いだお金に比べると自らの年収はまだまだ低いと言う。 50万ポンドと言えば、1ポンド200円換算とすると年収1億円である。 結局、未来を予測することなどは誰にも出来ない。 人間の欲望が理性を働かせることを超えてしまったのである。 そのためのブラック=ショールズ公式は金融機関を安心させた。 個々に見ると、リスクは限りなく少ない、 木を見て森を見ずの事態が実際に起きたのである。 そして、今回の金融危機で大きな被害をこうむったのは、 金融機関以外の人々であるというエンディングはとても示唆的なものであった。 とにかく刺激的な舞台です。 40代以上のサラリーマンや経営者にとっては非常に面白い舞台だろう。 また、この舞台は音の使い方が効果的である。 登場人物が変化するときに起きる、衝撃的な効果音。 強い音が劇的な印象を強くする。 また、ときどき流れる音楽のセンスがいい。 大人の上質な演劇を観ることが出来た。 劇場に入ったらまず用語解説などを読んでから舞台を見ることをお勧めします。 23日まで。
by haruharuyama
| 2010-05-18 07:58
| 舞台
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